平凡

平凡

むかしのこと

リリカルフルーツ、魔法のことば。すべてを白くくるんでおくれ

子ども時代の思い出は、曖昧模糊としたものでくるんでしまうのがいいのかもしれない……みたいな内容を、給食に絡めて書きました。

アンナミラーズ1995-2022

アンナミラーズ高輪店閉店の報を聞いたとき、胸にブワーッと溢れた思い出を書きつけました。アンミラ、ファミ通、カヒミ・カリィ、SPOT21などについて。

シルバニアファミリー遊び。その敗北の歴史。そして親の愛

ちいさいころにいまひとつ上手くできなかったシルバニアファミリー遊びの話と、邪道な遊び方をしていたおかげ(?)で触れた親の愛、みたいな話を書きました。

魔法はいつか解ける。だから魔法なのだ

Ingressというゲームのプレイヤーだったころ、魔法にかかっていたなあ……という話を書きました。人はいろんな理由で何かを始めたり辞めたりしますよね。

ちいさなお墓

どうしてお墓参りをしようなんて言ったのか、もう覚えていない。 「そういえば、甲野のおばさんのお墓ってどこにあるのかな」 そう言ったのは、たしかわたしだった。 帰省中で、わたしは時間を持て余していたのだ。 たまに帰省したのだから、親との時間を過…

西向きの部屋

引っ越しと転職によって、自分が求めているものがはじめてわかった、という思い出について書きました。

ホスピス

ホスピスの思い出を書きました。

ときどきよみがえるそれは、「若き日の思い出」の顔をしている。

明確に後悔している。 人生でそう断言できることは多くはないけれど、パッと思いつくものがひとつある。 それは、「着付けをやめたこと」だ。 きものに憧れていた。 きっかけは、書店で出会った一冊のムック『KIMONO姫』。 KIMONO姫 1 ことはじめ編 (Shodens…

『ゼロ秒思考』が導いてくれた、風が気持ちよい部屋

その物件を内見したのは、5月のよく晴れた日だった。 はじめて訪れる郊外の街はとても静かで、遠くから子どもが遊ぶ声が聞こえてきた。 「台所の窓が大きいんですよねえ」 不動産屋の青年が言って窓を開けた瞬間、風がふわあ、と吹き込んだ。 窓の外では、大…

雪の日、北陸、甘い水。

東京に、雪が降った。 窓を開けると、街路樹に、畑に、向かいの民家の屋根に、白いものが積もっている。 キンと冷えてわずかに湿り気を感じる、雪の日特有の空気。 こんな日にいつも思い出すのは、もう10年近く前の年明けのことだ。 年明け早々、北陸に大雪…

大人になってわかる、写真入り年賀状のありがたさ

海岸沿いの道から、車は山間へと入る。 杉の木だろうか、針葉樹におおわれた斜面がつづき、やがてうねうねとした一車線の坂道沿いに、民家がぽつり、ぽつりと現れる。 古い家も新しい家も、どこも屋根が高く、がっしりとした作り。 能登の積雪に対応するため…

20年目のブーツと未来へ歩く

オフィス街の横断歩道を渡る人たちのフリー素材 https://www.pakutaso.com/20210337085post-34003.html ショートブーツのファスナーを上げる。 と、スライダー(つまみ)がファスナーから外れた。 「ありゃ」 もう捨てるか、と一瞬考える。 何しろこのブーツ…

また新しい夢を見る

都会のマンションと雲空のフリー素材 https://www.pakutaso.com/20200539128post-27326.html はてなブログ10周年特別お題「10年で変わったこと・変わらなかったこと」 10年前の春、わたしは引っ越しをしていた。 ひとりには広すぎる2DK。 郊外の格安物件。 …

ホンモノとニセモノのはざま、あるいは「13日の金曜日」から「ジャンク」まで

フリー素材ぱくたそ(www.pakutaso.com) photo by すしぱく 人はなんのためにホラー映画を見るのだろう。 安全な場所で、スリルを楽しむため? だとしたら、なんのためにスリルが必要なのだろう。 どきどきすることで、生きていることを実感できるから? す…

インターネットの片隅に

そのホームページにどうやってたどりついたのか、もう覚えていない。 なつかしのHTML手打ちタグで作られた「いたばしのホームページ♪」。 トップページにいくつか並んだバナーから、「掲示板」をクリックすると、 多くのひとが集まり、他愛ない世間話や仕事…

コンビナートを見て育った

コンビナートを見て育った。 朝日は赤と白に塗り分けられた煙突や、巨大なガスタンク、複雑に絡み合った金属製のパイプを照らして昇るものだった。 近所には公害被害者のための療養施設があり、小学校で習う地域史でも、公害問題は大きくあつかわれていた。 …

三月の夕日

「時間は一方向に進んでいて、不可逆なものである」。 当たり前すぎるほど当たり前のことが、理解できていなかった。 それほどに、若いというより幼かった。 「もう、この夕日も見られへんのやなあ」 自転車を止めて、兄が言った。 兄とわたしの視線の先、 …

ネット普及以前、わたしたちはいかにして買い物をしていたのか

ネット普及以前、我々はどうやってモノを探していたのか。その記憶。

母の人生

わたしは、ふつうになりたかった。 いまは、フリーランスで仕事をしていて、結婚していて。 自分なりの“ふつう”を手に入れたと、そんな気がしている。 わたしの母は、「父と結婚したのは失敗だった」とよく言っていた。 実際、そう思う。 父は悪人ではない。…

あのころ、カヒミ・カリィがわたしのアイドルだった

驚いた。 こんな世界があるのかと思った。 20年近く前、春休み直前のころだったと思う。 東京からの転校生が、こう言った。 「カヒミ・カリィって知ってる?」 「えっ、カヒミ……何……?」 耳慣れない名前を、何度か聞き返したことを覚えている。 なんでもその…

旅の記憶

オーストリアの首都、ウィーンに降り立ったのは、5月も終わりのことだった。 旅の計画はこうだ。 オーストリアから南ドイツのミュンヘンへ。 そこから少しずつ北上、 北端の海辺の町まで到達したら南下して、 フランクフルトからパリへ抜け、帰国。 航空券の…

“家飲み”から“家お茶へ”

もうだいぶ前になるが、友人が結婚した。 挙式は、オーストラリアで。 当然、出席した。 中高生のころから彼女は、 「わたしは、結婚して、子どもを生んで、将来おかあさんになる」 と断言していた。 「まあ、いつかは子どももほしいし」 「やさしい旦那様と…

「いつかあなたにも、そんな相手が見つかるよ」とその人は言った

まず、「ツチノコ」の話をしよう。 もし、世界に「ツチノコ」という概念がなかったなら。 当然、「ツチノコ」を捕まえようとは思わないだろう。 そして、仮に「ツチノコ」を見ても、特異な存在とはわからないはずだ。 「ちょっと太った蛇がいるわ」などと思…

部活動、そのロールプレイと癒し

運動はとんとできない子どもであった。 暗い顔で、本ばかり読んでいた。 そんなわたしが大学に入ってすぐ、部活動に入った。 大学公認の、純然たる体育会系である。 比較的新しい競技なので、ややゆるい雰囲気ではあるものの、 それなりのしごきもある。 先…

フリーランス駆け出し時代を支えてくれたのは、ビビッドなピンクのケータイだった

特別お題「おもいでのケータイ」 フリーランスになって1年目のころ。 収入の不安定さ以上にこたえたのは、人とコンスタントに話すことのない生活だった。 会社に行って、好むと好まざるとにかかわらず、他人と話す。 そのことが、いかに貴重なことかを知った…

人生はティラミスのように苦くて甘く、記憶はホロホロと崩れてゆく

ティラミス、という食べ物がある。 生地は、エスプレッソが染みこませてあって、苦い。 その間に挟まれたカスタード状のクリームやマスカルポーネチーズは、甘い。 甘い、苦い、甘い、苦い。 ひとつのお菓子のなかに、その繰り返しがある。 生地はホロホロと…

子どもの足音

木造の、古い古いアパート。 間取りは、かろうじてテーブルを置ける広さのダイニング・キッチンに6畳2間がついた2DK。 当然、家族連れが多く住んでいた。 そんな物件に、まかり間違ってひとりで入居したのは、 2011年の2月のこと。 わたしは独身で、夫とは…

奥多摩から帰る

その電話を受けたとき、わたしは奥多摩にいた。 「おじちゃんが、倒れてしまって」 電話の向こうで、母が泣いていた。 おじちゃんとは、母の再婚相手のことだ。 奥多摩で何をしていたかというと、 レンタサイクルを借りて、デートをしていた。 相手はまだ、…

羽毛布団を捨てる

羽毛布団を、捨てようと思う。 この布団を使うようになったのは、はるか昔、もう30年も前のことだ。 そのころ、わたしの実家は新築フィーバーにわいていた。 憧れのフローリング、 小さな玄関の吹き抜け、 そして子どもたちにとっては、念願のひとり部屋。 …

永作博美主演のあのCMが、今も変わらず胸を打つのは

オンエア当時、狂ったように見まくっていたCMがある。 永作博美が出演していた「月桂冠 月」の一連のシリーズだ。 CMソングは、安藤裕子の「のうぜんかつら(リプライズ)」。 とくに、「ふたりの貝」編が好きだった。 CMは、永作博美*1演じる妻が、畳の上で…