平凡

平凡

2015-01-01から1年間の記事一覧

大根カレーを巡る冒険とその顛末

12月初旬から、中旬の忘年会シーズンは、 夫不在の夕食が多かった。 今日も明日も、夫は飲み会。 そんなとき、冷蔵庫にある大根と鶏ひき肉が目に入り、 昔々、とあるカフェで大根入りの和風カレーを食べて、美味しかったことを思い出す。 すると、みるみる、…

太陽が昇るという原始的な感動を、ハワイ島マウナ・ケア山頂で知る

新婚旅行の行き先はハワイ島だった。 当地でのオプショナルツアーを調べるなかで、「どうしても参加したい」と思ったのが、 マウナ・ケア山から日の出を見る、というものだった。 日の出なら、そりゃ東京湾でも見られるけれど。 なんとなく、4200メートルの…

海外リゾートと温泉は近いものではないか、という仮説を打ち立てた新婚旅行

幼いころは、温泉のよさがわからなかった。 大人たちは「のんびりするね~」なんて言っているけれど、 ちょっと大きなお風呂があるだけじゃん。 何がおもしろいんだろ。 おまけに湯あたりするし…… てなもんで。 大人になった今では、しょっちゅう、 夫と「温…

世界がこんなにも静かだったなんて

ちょっと前まで、私の世界には、薄く何枚もレイヤーがかかっていた。 現実をうっすらと覆うように、空想上の世界がいくつか広がり、 それぞれの登場人物たちが泣き、笑い、戦い、動き回っていた。 というと、何かクリエイティブなようだが、 それはメロドラ…

聞き上手ってモテるんじゃないでしょうか

あらかじめ。 これは、私自身が、いわゆる ❝興が乗り出すと、早口でたくさんしゃべってしまうタイプ❞だから かもしれないけれど。 夫と付き合う前、もっというと、二人きりで出かけるようになる前。 「この人、他の人と違うな」と感じたのは、 私が何か、映…

寿司って立体的な食べ物なんだと、はじめて思った

このブログ記事を読んで。 keisolutions.hatenablog.com 自分自身、夫と❝回らないお寿司❞に行ったことを思い出したので、 そのことを書こうと思う。 元ブログに比べると、ずいぶんと、こう、小さな話ではあるし、 物知らずが露呈していて恥ずかしくもある。 …

バカップルは風邪引かない

私たちは、いちゃいちゃした夫婦であると思う。 いい年してどうなんだと思うが、自然とそうなってしまうのだから、しかたない。 それは付き合いはじめのころから変わらない。 一緒にいることがとにかく楽しく、自然なことに思えたので、 他の予定が入ってい…

夫、冬将軍をかばう

冬、本番である。 朝、布団から出るのがおっくうだ。 窓際の机で仕事をしていると、足が冷える。 洗濯物を干すのは、苦行か何かか。 それもそのはず、もう師走。 私は、冬が苦手だ。 「ひとっとびに春にならないかなー」と愚痴を言ったところ、 夫が「えっ」…

酉の市に行ったときだけは、景気よくなっちゃうんじゃないの、と思う

酉の市へ行く。 私も個人事業者のはしくれなので、縁起をかつぎたいのだ。 一の酉、二の酉を逃して、三の酉の日曜日。 野暮用帰り、夫婦ともどもものすごく疲れていたけれど、 それでもなぜか、酉の市には行っておきたいと思った。 新宿で電車を降りて、花園…

この人こんな顔で笑うんだ、と思った

スマートフォンを、買い替えた。 新しいガジェットはワクワクするものだが、 不器用な私にとっては、液晶保護シートをはるのが憂鬱だ。家電量販店にズラリと並ぶ液晶保護シートから、 「簡単!」「失敗しない!」と書かれた商品を選んだところ、 その謳い文…

人生は、砂漠を歩くようなもの、と思っていた

幼いころから、眉間に皺ばかりよせている子どもだった。 そのころ考えていたことでよく覚えているのが、 「人生とは、砂漠をひとりで歩くようなもの。 どうやって歩いていけばよいか」。 結婚とは、年齢がきたら適当な相手と❝してしまうもの❞。 そして、どう…

夫のかっこいいスーツ姿に不可欠なモノ、それがアイロンだった

私にも服装萌えがあり、やはり夫のスーツ姿はかっこいい、と思う。 ただし、結婚したからには、ただ愛でているばかりでは済まされない。 思わず見とれてしまうスーツ姿に欠かせない家事、それがアイロンかけだった。 手持ちのアイロンは、私が大学生のときに…

世界がキラキラと輝いて見えた

嫌な出来事があった場所に行くと、苦い感情を思い出す。 悲しいときに聞いていた音楽がかかると、涙がこぼれる。 そんなことがある。 ところで、私たちが入籍したのは、 そろそろ冷え込みが厳しくなる、秋の終わりのことだった。 終電近くに待ち合わせ、 入…

結婚したって実感した

10月の三連休は、夫も私も、仕事に追われていた。 束の間、スーパーへ買い物に行こうとなり、 私たちはいつも通り手をつないで出かけた。 近所の池を通りかかる。 気まぐれに稼働する噴水が、珍しく水しぶきを上げており、 秋空にきらめく水滴は、どこか寒々…