「人生、先が見えないとつらいんだな」 そんな当たり前のことに気がついたのは、フリーター時代だった。 新卒で勤めた会社をクビになり、とりあえずはじめた接客バイトの仕事。 意外なことに、それは自分に向いていた。 目の前のお客さんの求めるものを、な…
月がさえざえとした夜道で、ふと沈丁花の香りをかいだ。 見まわしても、香りの主は見つからない。 甘い香りが、冬の終わりと春のはじまりを告げている。 季節の移ろいに趣を感じると同時に、その香りはわたしの記憶をかきまぜて、沈殿したものを舞い上がらせ…
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