平凡

平凡

結婚生活

ソーダ水のようなしあわせ

今年の夏は、なんだか溶けそうだった。 例年に比べてそんなに暑かったわけではないけれど、 じりじりとした陽光にやかれていると、 自分の境界線がぼんやりとしてくるので、 「わたしはこれこれこういう職業に就いていて、 結婚していて、 いま、こういう仕…

羽毛布団を捨てる

羽毛布団を、捨てようと思う。 この布団を使うようになったのは、はるか昔、もう30年も前のことだ。 そのころ、わたしの実家は新築フィーバーにわいていた。 憧れのフローリング、 小さな玄関の吹き抜け、 そして子どもたちにとっては、念願のひとり部屋。 …

圧倒的魅力をもつ大人猫の、圧倒的不利さ

隣街を歩いていたら、保護猫の譲渡会をやっていた。 猫好き夫婦の我々は、ふらりと会場に立ち寄った。ところで、子猫のかわいさは反則だと、よく言われる。 しかし、個性がはっきりと出ており、落ち着いた成猫の魅力は、 猫好きにとっては正攻法で顔面一発ノ…

平穏無事な街

そぼ降る雨の日。 仕事に行くため、駅へ急ぐ。その途中、幼稚園児くらいの姉弟を連れた女性とすれ違う。 弟は「アイスの棒が~1本~アイスの棒が~」と、作詞作曲オレによる“アイス数え歌”を歌い、 姉は顎に傘の取っ手を乗せて歩けないか試している。 ふたり…

私たちの街、私たちの庭

まだ梅雨のころ。 夫婦連れ立って、引っ越しに伴う手続きをしようと家を出た。 いろいろ回ると合計10キロぐらいになりそうなので、夫はロードバイク、私はクロスバイクに乗り、久しぶりのサイクリングと相成った。 雨雲におびえながら、自転車をこぎ出す。 …

サラリーマンの妻って感じがする

夫が配置がえになり、帰宅時間が早い日ができた。 私もここ何日かは仕事が落ち着き、時間に余裕がある。 引っ越して台所も広くなったので、副菜をよぶんに1、2品作ったりしている。 そろそろ帰ると、夫からの連絡。 料理を仕上げにかかっていると、鍵を回…

引き渡しの日

引き渡しの日がやってきた。今まで借りていた部屋を引き払い、空の状態にして、 オーナーや管理人の立ち会いのもと、部屋の状態を確認して、その管理下に戻すのだ。空っぽになった部屋を見ていると、はじめて内見した日のことを思い出す。 なんて日当たりが…

猫、挨拶にきたる

引っ越しである。 契約、電気ガス水道各種移転の手配、引っ越し屋への依頼を済ませ、 たまりにたまっていた不要な資料を捨て、 使わないものからパッキングをし、 それらをどう積み上げつつ生活をするか考え、 冷蔵庫のストックを使い切るべく頭を悩ませる。…

ふたり暮らしのほうが、料理は楽ですね、意外と。

結婚するにあたって心配だったのは、料理のことだった。 私は家事が得意ではないが、料理だけはちょっと好き。 それでも、独身時代の自炊は気分次第。 ひとりでなら美味しいけれど、人に作って食べさせるものではない、といった献立も多かった。 たとえば、…

岩合光昭さんメソッドって、有効なんだなってこと

夫婦そろって猫好きだ。 しかし、BSが視聴できる環境にいない。 したがって、猫好きのマストコンテンツ「岩合光昭の世界ネコ歩き」を、 めったに目にすることができないのであった。 年末年始の帰省の折は、母宅において、「ネコ歩き」の録画をまとめて見た…

フリーランス的ゴールデンウィークはどうですか? ぼちぼち仕事です。

「いつお休み取るんですか?」 「土日は休めるんですか?」 フリーランスだと話すと、まず最初に聞かれることだ。 これに対する私の答えは、「土日は、まあ、気は休まりますかねー」。 なんとも❝もにゃっ❞としている。 理論上は、フリーランスなので、休みた…

結婚の御挨拶は、両親も何かと緊張して大変だよね☆って話

結婚の挨拶の思い出というと、なんといっても、「平凡母のスプーン曲げ事件」である。 ❝事件❞の前提として、以前にも書いた通り、うちの両親は離婚している。 hei-bon.hatenablog.com そのため、「結婚の御挨拶」にあたっては、父母それぞれが、ひとりで娘の…

永作博美主演のあのCMが、今も変わらず胸を打つのは

オンエア当時、狂ったように見まくっていたCMがある。 永作博美が出演していた「月桂冠 月」の一連のシリーズだ。 CMソングは、安藤裕子の「のうぜんかつら(リプライズ)」。 とくに、「ふたりの貝」編が好きだった。 CMは、永作博美*1演じる妻が、畳の上で…

げこげこ夫婦

私たち夫婦は下戸だ。 飲む、即、蒼白という「受け付けない」レベルではないが、 サワーなら、グラスに2センチも飲めば、顔は真っ赤。 言動もかなりあやしくなる。 「お酒に弱いんです」と言っても、まさかそれほどと思わないらしく、 はじめて酒席をともに…

ふたりのお引っ越しは、ひとりのときと全然違っていた件

1に利便性、2に利便性、3、4がなくて、家賃が多少高くなっても仕方ない。 私の独身時代の部屋選びの基準は、こんな感じだった。 新卒後、会社勤めをしていたときは、わりと常識的な部屋選びをしていたものの、 今の職業に就いたあたりからは、 出せる範…

ユニクロは、オシャレに興味がない人の味方なんだなって思った話

前回、マンガ「服を着るならこんなふうに」を読んで、「ユニクロへ行きたい」と言い出した夫。 常々、「夫にはもっと似合う洋服があるはず……」と考えていた私は、この好機を逃すまいと、さっそくユニクロへ向かったのであった。 hei-bon.hatenablog.com 夫の…

夫や彼にオシャレしてほしい人は、マンガ「服を着るならこんなふうに」を買うといいんじゃないでしょうか。

夫は服にあまり興味がない。 「洋服を買いに行こうか」と言うと、激しく嫌がる。 「旅行のときの服装とか考えるの楽しくない?」と聞いたら、 そんな発想はなかったと返された。 しかし、「人は見た目も大切である」とは、心のどこかでは思っているようだ。 …

神社で結婚式をする、ということ9 両家親族の服装はどうするか

挙式にあたり、親族の服装をどうするかは、ちょっとした問題だった。 というのも、夫の親は洋服派、うちの親は和服派とはっきりと分かれたからだ。 まず、夫の家。 義母は留袖は持っておらず、「大げさなことはしたくない」という。 また、夫側の親族に小さ…

妊娠を望む、ということ。その小さな戸惑い

できれば、子どもを授かりたいと思う。 「妊娠を積極的に希望する」という事態は、結婚前にはなかったことである。 そして、いわゆる月のものがくるまでは、 「ひょっとしたら妊娠しているかもしれない」状態が、ずっと続く。 そんなことも、はじめてである…

推し松は十四松なのだと、夫は言った

TVアニメ「おそ松さん」がたいへんな人気を博している。 「おそ松さん」は、赤塚不二夫氏の「おそ松くん」の現代版リメイク。 六つ子が成長して、それぞれの個性を獲得。 ニートとしてのんべんだらりと過ごす彼らの日常を、 シュールありコントありパロディ…

「きょうの料理ビギナーズ」礼賛、あるいはネットのレシピに比べ、レシピ本が優れている点

我が家の献立は、「きょうの料理ビギナーズ」に頼り切りだ。 TVでオンエアされている番組はほとんど見ていないのだが、 テキスト本は毎月購入している。 料理に手をかける人には物足りないと思うが、 「簡単に作りたいけれど、自分の引き出しだけだとワンパ…

いつの間にかその方言は、我が家で代替不可能な言葉になっていた

私は地方出身なので、「国の言葉」が出ることもある。 故郷を離れて長いが、方言には代替不可能な表現もあるため、 家の中ではつい、使ってしまう。 なかでも、「さらえる」という言葉はなかなか便利だと思っている。 「さらえる」とは、「お皿に残ったもの…

夫の家事なぜなに

実家暮らしが長かった夫。 ひとり暮らし経験もなくはないが、あまり家事をしたことはないようだ。 結婚を機に、日常的に家事をするようになった彼の頭には、 さまざまな疑問が浮かぶようで。 たとえば、吸ったゴミが見えるダイソンのハンディ掃除機を手に、 …

「ここに住んだらモテるよ」と、女友達は言った

「平凡ちゃん、ここ住んだらモテるよ、いい縁あるよ」 と、女友達は言った。 今、住んでいる部屋を、はじめて内見したときのことだ。 当時の私は独身。恋人もなし。 いろいろあって、心機一転部屋探し。 時間があるときには、間取り図好きの女友達にも付き合…

バレンタインデー、その歴史と学び

夫(当時は恋人)と付き合ってはじめてのバレンタインデーには、 ピエール・マルコリーニのシャンパントリュフと、 スマートフォン用モバイルバッテリーをプレゼントした。 気合いが入っていた。 2回目は、「高級チョコの美味しさは、わるんだけど……ちょっと…

休日賛歌

何も予定がない休日。 ゆっくり寝て、遅い朝食に、ホットケーキをふたりで作る。 おたまからフライパンへ、できるだけ真上から生地を落としても、 なかなか丸くは焼けない。 土曜の正午前なら、テレビで「週刊ニュース新書」を見ながら食べる。 なぜなら、猫…

大根カレーを巡る冒険とその顛末

12月初旬から、中旬の忘年会シーズンは、 夫不在の夕食が多かった。 今日も明日も、夫は飲み会。 そんなとき、冷蔵庫にある大根と鶏ひき肉が目に入り、 昔々、とあるカフェで大根入りの和風カレーを食べて、美味しかったことを思い出す。 すると、みるみる、…

太陽が昇るという原始的な感動を、ハワイ島マウナ・ケア山頂で知る

新婚旅行の行き先はハワイ島だった。 当地でのオプショナルツアーを調べるなかで、「どうしても参加したい」と思ったのが、 マウナ・ケア山から日の出を見る、というものだった。 日の出なら、そりゃ東京湾でも見られるけれど。 なんとなく、4200メートルの…

海外リゾートと温泉は近いものではないか、という仮説を打ち立てた新婚旅行

幼いころは、温泉のよさがわからなかった。 大人たちは「のんびりするね~」なんて言っているけれど、 ちょっと大きなお風呂があるだけじゃん。 何がおもしろいんだろ。 おまけに湯あたりするし…… てなもんで。 大人になった今では、しょっちゅう、 夫と「温…

寿司って立体的な食べ物なんだと、はじめて思った

このブログ記事を読んで。 keisolutions.hatenablog.com 自分自身、夫と❝回らないお寿司❞に行ったことを思い出したので、 そのことを書こうと思う。 元ブログに比べると、ずいぶんと、こう、小さな話ではあるし、 物知らずが露呈していて恥ずかしくもある。 …