平凡

平凡

結婚生活

夢の永久機関、その名は豆苗

鍋物ざんまいだった冬。*1 苦しまぎれの中華鍋に、豆苗を入れたときだった。 「豆苗って、家で栽培できるんだって!」と夫が興奮気味に言った。 好奇心旺盛な夫は、豆苗のパッケージをふんふんと読んでいた。 そして、「水につければ収穫できます」と、 ご丁…

近所のお祭り、その名状しがたきよろこびよ

近所の商店会が、何か小さな催しをやるという。 入場料に500円を取り、ちょっとした屋台で焼きそばやたこ焼き、焼き芋などを食べさせるらしい。 入場料? 手作りの会で、一律取るのだろうか。 そして、チラシを見ても、食べ物が有料なのか無料なのかわからな…

「家賃と同じぐらいの支払いでマンションが買えますよ」と人は言うけれど

近所で、中古マンションの出物があったという。 予定のない土日、じゃあ、ちょっと見に行ってみようかとなった。 我が家は基本、賃貸派だ。 ふたりとも、「ローンがあるうちは自分のものになったとは思えない」タイプなこと、 ローン(と修繕積立費、管理費…

服を贈る、ということ。あるいはユニクロでコートを買った話。

突然だが、我が家の夫は秋生まれ。 そしてわたしは冬生まれだ。 夫婦の結婚記念日は、覚えやすいよう、夫の誕生日にしてある。 秋冬といえば、何はなくともクリスマスだ正月だとイベントが多いシーズン。 そこに個人的な記念日まで加わっており、祝いごとが…

概念としてのかわいさ

夫婦揃って猫好きだ。 なので、外出中はあらゆる場所に目を光らせている。 どこに猫がいるか、わからないからだ。 猫を見つける秘訣は、「いる」と信じることだと思う。 「どう考えても車止めだろう」 「こんな道の真ん中に、猫がいるはずがない」 いくらな…

家事分担の我が家の秘訣、あるいは「あなたの家事は当たり前ではない」と思う話

「家事分担、どうしてますか」。 結婚後、よく聞かれる質問のひとつだ。 世間では、夫婦ともにフルタイムであっても、 妻が主軸で家事を回す、というイメージがまだまだ強い。 わたしのまわりでも、そういったカップルが多い。 性別役割分担に加え、長時間労…

流行っているのか、フラフープ

夫の同僚が、フラフープをやっているという。 男性だが大変細身で、ふだんからプロポーションには気をつけているものの、 「ここぞ!」というときは集中して回すのだそうだ。 「くびれができますよ!」。 なんと魅力的なことばであろうか。 テレビをつけたら…

「こち亀」が終わる

「週刊少年ジャンプ」に連載されていた 「こちら葛飾区亀有公園前派出所」通称❝こち亀❞が、 連載40年をもって幕を下ろすという。 インターネットを見ていると、 「ちゃんと追いかけていたわけではないけれど、ショックが大きい」との声をよく見かけた。 夫も…

ソーダ水のようなしあわせ

今年の夏は、なんだか溶けそうだった。 例年に比べてそんなに暑かったわけではないけれど、 じりじりとした陽光にやかれていると、 自分の境界線がぼんやりとしてくるので、 「わたしはこれこれこういう職業に就いていて、 結婚していて、 いま、こういう仕…

羽毛布団を捨てる

羽毛布団を、捨てようと思う。 この布団を使うようになったのは、はるか昔、もう30年も前のことだ。 そのころ、わたしの実家は新築フィーバーにわいていた。 憧れのフローリング、 小さな玄関の吹き抜け、 そして子どもたちにとっては、念願のひとり部屋。 …

圧倒的魅力をもつ大人猫の、圧倒的不利さ

隣街を歩いていたら、保護猫の譲渡会をやっていた。 猫好き夫婦の我々は、ふらりと会場に立ち寄った。ところで、子猫のかわいさは反則だと、よく言われる。 しかし、個性がはっきりと出ており、落ち着いた成猫の魅力は、 猫好きにとっては正攻法で顔面一発ノ…

平穏無事な街

そぼ降る雨の日。 仕事に行くため、駅へ急ぐ。その途中、幼稚園児くらいの姉弟を連れた女性とすれ違う。 弟は「アイスの棒が~1本~アイスの棒が~」と、作詞作曲オレによる“アイス数え歌”を歌い、 姉は顎に傘の取っ手を乗せて歩けないか試している。 ふたり…

私たちの街、私たちの庭

まだ梅雨のころ。 夫婦連れ立って、引っ越しに伴う手続きをしようと家を出た。 いろいろ回ると合計10キロぐらいになりそうなので、夫はロードバイク、私はクロスバイクに乗り、久しぶりのサイクリングと相成った。 雨雲におびえながら、自転車をこぎ出す。 …

サラリーマンの妻って感じがする

夫が配置がえになり、帰宅時間が早い日ができた。 私もここ何日かは仕事が落ち着き、時間に余裕がある。 引っ越して台所も広くなったので、副菜をよぶんに1、2品作ったりしている。 そろそろ帰ると、夫からの連絡。 料理を仕上げにかかっていると、鍵を回…

引き渡しの日

引き渡しの日がやってきた。今まで借りていた部屋を引き払い、空の状態にして、 オーナーや管理人の立ち会いのもと、部屋の状態を確認して、その管理下に戻すのだ。空っぽになった部屋を見ていると、はじめて内見した日のことを思い出す。 なんて日当たりが…

猫、挨拶にきたる

引っ越しである。 契約、電気ガス水道各種移転の手配、引っ越し屋への依頼を済ませ、 たまりにたまっていた不要な資料を捨て、 使わないものからパッキングをし、 それらをどう積み上げつつ生活をするか考え、 冷蔵庫のストックを使い切るべく頭を悩ませる。…

ふたり暮らしのほうが、料理は楽ですね、意外と。

結婚するにあたって心配だったのは、料理のことだった。 私は家事が得意ではないが、料理だけはちょっと好き。 それでも、独身時代の自炊は気分次第。 ひとりでなら美味しいけれど、人に作って食べさせるものではない、といった献立も多かった。 たとえば、…

岩合光昭さんメソッドって、有効なんだなってこと

夫婦そろって猫好きだ。 しかし、BSが視聴できる環境にいない。 したがって、猫好きのマストコンテンツ「岩合光昭の世界ネコ歩き」を、 めったに目にすることができないのであった。 年末年始の帰省の折は、母宅において、「ネコ歩き」の録画をまとめて見た…

フリーランス的ゴールデンウィークはどうですか? ぼちぼち仕事です。

「いつお休み取るんですか?」 「土日は休めるんですか?」 フリーランスだと話すと、まず最初に聞かれることだ。 これに対する私の答えは、「土日は、まあ、気は休まりますかねー」。 なんとも❝もにゃっ❞としている。 理論上は、フリーランスなので、休みた…

結婚の御挨拶は、両親も何かと緊張して大変だよね☆って話

結婚の挨拶の思い出というと、なんといっても、「平凡母のスプーン曲げ事件」である。 ❝事件❞の前提として、以前にも書いた通り、うちの両親は離婚している。 hei-bon.hatenablog.com そのため、「結婚の御挨拶」にあたっては、父母それぞれが、ひとりで娘の…

永作博美主演のあのCMが、今も変わらず胸を打つのは

オンエア当時、狂ったように見まくっていたCMがある。 永作博美が出演していた「月桂冠 月」の一連のシリーズだ。 CMソングは、安藤裕子の「のうぜんかつら(リプライズ)」。 とくに、「ふたりの貝」編が好きだった。 CMは、永作博美*1演じる妻が、畳の上で…

げこげこ夫婦

私たち夫婦は下戸だ。 飲む、即、蒼白という「受け付けない」レベルではないが、 サワーなら、グラスに2センチも飲めば、顔は真っ赤。 言動もかなりあやしくなる。 「お酒に弱いんです」と言っても、まさかそれほどと思わないらしく、 はじめて酒席をともに…

ふたりのお引っ越しは、ひとりのときと全然違っていた件

1に利便性、2に利便性、3、4がなくて、家賃が多少高くなっても仕方ない。 私の独身時代の部屋選びの基準は、こんな感じだった。 新卒後、会社勤めをしていたときは、わりと常識的な部屋選びをしていたものの、 今の職業に就いたあたりからは、 出せる範…

ユニクロは、オシャレに興味がない人の味方なんだなって思った話

前回、マンガ「服を着るならこんなふうに」を読んで、「ユニクロへ行きたい」と言い出した夫。 常々、「夫にはもっと似合う洋服があるはず……」と考えていた私は、この好機を逃すまいと、さっそくユニクロへ向かったのであった。 hei-bon.hatenablog.com 夫の…

夫や彼にオシャレしてほしい人は、マンガ「服を着るならこんなふうに」を買うといいんじゃないでしょうか。

夫は服にあまり興味がない。 「洋服を買いに行こうか」と言うと、激しく嫌がる。 「旅行のときの服装とか考えるの楽しくない?」と聞いたら、 そんな発想はなかったと返された。 しかし、「人は見た目も大切である」とは、心のどこかでは思っているようだ。 …

神社で結婚式をする、ということ9 両家親族の服装はどうするか

挙式にあたり、親族の服装をどうするかは、ちょっとした問題だった。 というのも、夫の親は洋服派、うちの親は和服派とはっきりと分かれたからだ。 まず、夫の家。 義母は留袖は持っておらず、「大げさなことはしたくない」という。 また、夫側の親族に小さ…

妊娠を望む、ということ。その小さな戸惑い

できれば、子どもを授かりたいと思う。 「妊娠を積極的に希望する」という事態は、結婚前にはなかったことである。 そして、いわゆる月のものがくるまでは、 「ひょっとしたら妊娠しているかもしれない」状態が、ずっと続く。 そんなことも、はじめてである…

推し松は十四松なのだと、夫は言った

TVアニメ「おそ松さん」がたいへんな人気を博している。 「おそ松さん」は、赤塚不二夫氏の「おそ松くん」の現代版リメイク。 六つ子が成長して、それぞれの個性を獲得。 ニートとしてのんべんだらりと過ごす彼らの日常を、 シュールありコントありパロディ…

「きょうの料理ビギナーズ」礼賛、あるいはネットのレシピに比べ、レシピ本が優れている点

我が家の献立は、「きょうの料理ビギナーズ」に頼り切りだ。 TVでオンエアされている番組はほとんど見ていないのだが、 テキスト本は毎月購入している。 料理に手をかける人には物足りないと思うが、 「簡単に作りたいけれど、自分の引き出しだけだとワンパ…

いつの間にかその方言は、我が家で代替不可能な言葉になっていた

私は地方出身なので、「国の言葉」が出ることもある。 故郷を離れて長いが、方言には代替不可能な表現もあるため、 家の中ではつい、使ってしまう。 なかでも、「さらえる」という言葉はなかなか便利だと思っている。 「さらえる」とは、「お皿に残ったもの…