結婚生活
実家暮らしが長かった夫。 ひとり暮らし経験もなくはないが、あまり家事をしたことはないようだ。 結婚を機に、日常的に家事をするようになった彼の頭には、 さまざまな疑問が浮かぶようで。 たとえば、吸ったゴミが見えるダイソンのハンディ掃除機を手に、 …
「平凡ちゃん、ここ住んだらモテるよ、いい縁あるよ」 と、女友達は言った。 今、住んでいる部屋を、はじめて内見したときのことだ。 当時の私は独身。恋人もなし。 いろいろあって、心機一転部屋探し。 時間があるときには、間取り図好きの女友達にも付き合…
夫(当時は恋人)と付き合ってはじめてのバレンタインデーには、 ピエール・マルコリーニのシャンパントリュフと、 スマートフォン用モバイルバッテリーをプレゼントした。 気合いが入っていた。 2回目は、「高級チョコの美味しさは、わるんだけど……ちょっと…
何も予定がない休日。 ゆっくり寝て、遅い朝食に、ホットケーキをふたりで作る。 おたまからフライパンへ、できるだけ真上から生地を落としても、 なかなか丸くは焼けない。 土曜の正午前なら、テレビで「週刊ニュース新書」を見ながら食べる。 なぜなら、猫…
12月初旬から、中旬の忘年会シーズンは、 夫不在の夕食が多かった。 今日も明日も、夫は飲み会。 そんなとき、冷蔵庫にある大根と鶏ひき肉が目に入り、 昔々、とあるカフェで大根入りの和風カレーを食べて、美味しかったことを思い出す。 すると、みるみる、…
新婚旅行の行き先はハワイ島だった。 当地でのオプショナルツアーを調べるなかで、「どうしても参加したい」と思ったのが、 マウナ・ケア山から日の出を見る、というものだった。 日の出なら、そりゃ東京湾でも見られるけれど。 なんとなく、4200メートルの…
幼いころは、温泉のよさがわからなかった。 大人たちは「のんびりするね~」なんて言っているけれど、 ちょっと大きなお風呂があるだけじゃん。 何がおもしろいんだろ。 おまけに湯あたりするし…… てなもんで。 大人になった今では、しょっちゅう、 夫と「温…
このブログ記事を読んで。 keisolutions.hatenablog.com 自分自身、夫と❝回らないお寿司❞に行ったことを思い出したので、 そのことを書こうと思う。 元ブログに比べると、ずいぶんと、こう、小さな話ではあるし、 物知らずが露呈していて恥ずかしくもある。 …
私たちは、いちゃいちゃした夫婦であると思う。 いい年してどうなんだと思うが、自然とそうなってしまうのだから、しかたない。 それは付き合いはじめのころから変わらない。 一緒にいることがとにかく楽しく、自然なことに思えたので、 他の予定が入ってい…
冬、本番である。 朝、布団から出るのがおっくうだ。 窓際の机で仕事をしていると、足が冷える。 洗濯物を干すのは、苦行か何かか。 それもそのはず、もう師走。 私は、冬が苦手だ。 「ひとっとびに春にならないかなー」と愚痴を言ったところ、 夫が「えっ」…
酉の市へ行く。 私も個人事業者のはしくれなので、縁起をかつぎたいのだ。 一の酉、二の酉を逃して、三の酉の日曜日。 野暮用帰り、夫婦ともどもものすごく疲れていたけれど、 それでもなぜか、酉の市には行っておきたいと思った。 新宿で電車を降りて、花園…
スマートフォンを、買い替えた。 新しいガジェットはワクワクするものだが、 不器用な私にとっては、液晶保護シートをはるのが憂鬱だ。家電量販店にズラリと並ぶ液晶保護シートから、 「簡単!」「失敗しない!」と書かれた商品を選んだところ、 その謳い文…
私にも服装萌えがあり、やはり夫のスーツ姿はかっこいい、と思う。 ただし、結婚したからには、ただ愛でているばかりでは済まされない。 思わず見とれてしまうスーツ姿に欠かせない家事、それがアイロンかけだった。 手持ちのアイロンは、私が大学生のときに…
嫌な出来事があった場所に行くと、苦い感情を思い出す。 悲しいときに聞いていた音楽がかかると、涙がこぼれる。 そんなことがある。 ところで、私たちが入籍したのは、 そろそろ冷え込みが厳しくなる、秋の終わりのことだった。 終電近くに待ち合わせ、 入…
10月の三連休は、夫も私も、仕事に追われていた。 束の間、スーパーへ買い物に行こうとなり、 私たちはいつも通り手をつないで出かけた。 近所の池を通りかかる。 気まぐれに稼働する噴水が、珍しく水しぶきを上げており、 秋空にきらめく水滴は、どこか寒々…