いきなりですが、恥ずかしいですね、タイトル。
でも、誰かの参考になれば! と思って書いてみます。
今回は、文章を書いていて行き詰まったときの、わたしなりの対処法を紹介します。
前提は「ひとかたまりの文章」を書いているとき。
箇条書きするタイプのブログには、参考にならないと思われます。
では、いってみましょう。
とにかく書きたいことを書き出してみる
書くことに詰まったら、まず、頭に浮かんでいるすべてを紙に書き出してみます。
わたしは紙に手書き派。
アウトライナーとか、マインドマップツールを使ってもいいかもしれない。
ただ、最初はどの話がどの話に結び付くかすらわからないはずなので、なるべく自由度が高いものを使うのがおすすめです。
書いているうち、「これも書きたかった」と芋づる式に膨らんだり、「あ、これとこれは結びつくかも」と気づいたり。
つながるものは線でつなぐなどして、どんどん自由に書き出していきます。
「頭の中にあるこれ、なんて言葉にすればいいの~」というときは、不十分なまま、頭の中から出してみる。
「あれってエモいよね」「なんか宇宙って感じだった」「新しい掃除機のツルッとした肌触りが使ってていい感じ」とか。
「混乱」「困りごと」が頭の中にたくさんあると、こんがらがるので、まずは外に出す。
適切な表現を考えるのは、後まわし。
文章の「核」を考える
「自分はこの文章で、これについて語りたい、伝えたい」ということ、または「文章の目玉」を書き出します。
「落ち葉が落ちる音のエモさ」とか、「ルンバが上げてくれたクオリティライフ」とか、「このカフェのお気に入りのポイント(=静かで落ち着く)」とか。
前述した「とにかく箇条書き」の前にこれをやってもいいけど、「何を書きたいか」がモヤッとしているときもあるもの。
ある程度、頭から材料を出したうえでやったほうがスムーズ。
「コミュ力が低くても生き延びてくれ」。低く、渋く、息長く」の文章では、アイキャッチに入れた画像がこの「核」。
あのまわりに書きたいことを次々書き出し、構成を考えました。
あのエントリーに書いたことは、常日頃から思っていること。
一発でいけるかと思ったけど、無理でした。
*1。
構成を考える
書き出した「書きたいこと」を、並べかえていきます。
わたしはたいてい、「起承結」で考えています。
書くことに苦手意識がある人は、「起=結論、承=理由、結=結論」で書いてみることをおすすめします。
一見、繰り返しに見えるけれど、「理由」を経て書かれた「結論」は、最初とは印象がまったく変わるし、構成があるとぐっとしまった印象になるもの。
構成に悩んだときは、ふせんや裏紙をちぎったメモに、書きたいことを小分けにして書き、三段に分けた裏紙に置いていく、という手も。
自分の場合、ブログの意見も、仕事でやるショップの紹介も、インタビューも、基本は三部構成。
一発書きで決まらないときは、下記のように考えます。
たとえば、ショップ紹介なら、
起=どこにある、なんという名前のショップか
承=どんなサービスが受けられるか
結=どんな人におすすめか
と割り振っていく、とか。
インタビューなら、ひとつの仕事について聞いた場合、
起=仕事を受けたときの気持ち
承=その途中で感じたこと
結=未来へ、あるいはその仕事から得たもののまとめ
ひとつの仕事をきっかけに、その人を掘り下げるなら
起=インタビューのきっかけになった仕事について
承=「起」にまつわる、過去の仕事の話
結=それらを踏まえて、未来にどうしたいか
みたいな感じ。
これは基本形なので、実際はいろいろアレンジがあります。
起転結なのか起承結なのかいろいろだけど、とにかく三つ枠を作って、そこに箇条書きにした要素を入れていきます。*2
それでも悩む!
1.「時間をかけて」「接触頻度を増やす」
いったん手を止め、箇条書きにした「書きたいこと」を、「引き」で眺めます。
時間を置ける場合は、移動中に箇条書きをしたものを見返したり、家事をしているときに、これとこれは結びついてるんだけどな~と考えてみたり。
ちょこちょこと、書きたい文章について考える。
ここのコツは、真剣に考えすぎないこと。
で、デスクに戻ったら、箇条書きメモに目を通してみる。
「上手く書こう」ではなく、「とにかく目を通そう」ぐらいの感覚で眺める。
「その文章について考える」(接触)頻度を増やすのです。
2.資料に当たる
たとえば何かの紹介を書いているなら、公式のリリースを読み返す。
インタビューなら、音声起こしをもう一度読んでみる。
「彫刻とは、木から『形』を取り出すこと」と言ったりしますが、「1」「2」ともにそれに近い行為かもしれません。
それでも書けない!
自由意思で書く文章の場合は、「そもそも、自分はそれを書きたいのか」「書く必要があるのか」を考えてみましょう。
必要を感じていないから、まとまらないのかもしれません。
社内文書など、書く、書かないを選べないものに関しては、「何が引っかかっているのか」「なぜ書きたくないのか」を考えてみるとよいかも。
「文章が書けない」悩みと、「そりゃ書きづらいよね」という悩みを分離させてみる。
自分が何に悩んでいるのかを洗い出すのは大事。
「なぜ書けないか」を突きとめることで、先に進むことができるのです。
わたしが仕事のライティングで手が止まるときは、たいてい、
インタビューなら「ここの具体例がないからこの話を使いづらい」、
取材記事なら情報に穴があって、「わからない」部分があります。
対処法は、情報を足す、調べる。
そういったことがどうしても難しい場合は、穴が見えないアングルの文章や構成に書きかえる。
「情報が根本的に足りない」から、「穴が見えないようにする」のは避けるべき事態。
これを防ぐため、取材前の下調べと取材に気合を入れます。
一者の取材で足りないとなれば、なるべく素早く動いて別の取材先を当たります。
仕事だと、「編集さんに相談」のカードを切れるのがいいですね。
基本、「書く」のは最後と考えてみる
このTipsは「うんうんうなっても書けないときは」ではじめています。
「いきなり書こうとする」ことを前提としているわけです。
今の時代、いきなり書いて、それなりに書ける人も多いはず。
とはいえ、本来、文章って「書くのは最後」だと思うのです。
調べたり、考えたり、説明が必要なら写真や絵、図版を集めたり。
それをどう配置するか、どう他人にリーチさせるか考えて、並べて、書いていく。
その基本に立ち返って、「書く」ことを小分けにしてみると、楽になるかもしれません。
今回のエントリーは、わたしなりにその小分けの方法をお伝えしたもの。
世界の誰かに、役立てばいいなと思い、恥をしのんで書いてみました。
写真は《スクワーク中のノートとキーボードのフリー素材 https://www.pakutaso.com/20210950249post-36526.html》
*1:ブログの場合、全部の文章をこの方法で書いているわけではないです。「コミュ力~」のエントリーは言いたいことが多く、しかしいざ書き始めてみたらそれらはバラバラで、けっこう悩んだのでした。ほか、「20年目のブーツと未来へ歩く - 平凡」は、要素を書き出すうちに核や構成がまとまったものです
*2:ブログを書くときは、一発書きの場合も三部構成をぼんやり意識して、それ以上にもそれ以下にもならないようにしています。珍しく起承転結の四部構成になっているのが、「自分の文章が下手過ぎて笑っちゃった話からの、結局、文章は中身って話 - 平凡 」あれは構成をきっちり考えて書いたわけではないのですが、読書猿さんのエントリー紹介の前まででも「起転結」で締められます。が、最後に1パート入れて、起承転結に。自分が書く文章に関しては、四部構成は要素が入り過ぎ、転調が多すぎて疲れる印象があって避けています。が、あのエントリーは「言いたいことを全部入れる」ことを優先し、思い切って四部構成にしました。アナリティクスを見ると、じっくり読んでくださっている方の比率が高く、書いてよかったです