最近、麦茶を家で作っている。
ついでに、出汁も。
息をするのもめんどくさいはずなのに……!?
息をするのもめんどくさい話は、以下に。
きっかけはただひとつ、冷蔵庫を大きくしたこと。
いままで、麦茶は買っていた。
冷蔵庫のドアポケットに余裕がなかったので、作るとしたらポットは横置き。
横置きできるポットは買っていたが、漏れそうで、ちょっと怖かった。
そして横置きすれば、食材の保管場所も圧迫する。
それに加えて、麦茶ポットを清潔に保つのは手間だと思っていた。
ペットボトルなら、管理の手間もいらず、横置きしても漏れる心配はない。
庫内に余裕がないときは、500ミリリットルサイズで調整。
何より、買う方が楽だと思っていたのだ。
出汁は出汁パックを愛用していた。
一時期、義母が「千代の一番」という出汁パックを定期的にくれたことがあった。
一度使ったら、便利で味がよく、手放せなくなった。
ただ、美味しい出汁パックはお高い!
もったいないなと思うものの、自分で出汁を取るのはめんどうで、かといって顆粒出汁ではいまや物足らない。
昔、にぼしで出汁を取っていたこともあるが、あまり上手く調理できず、ハラワタを取っても生ぐさかった。
だったら美味しくて楽なほうがいい。
で、このほど、冷蔵庫が大きくなった。
牛乳も豆乳もドアポケットに立て放題!
ペットボトルや麦茶ポットは野菜室にも入れられる。
ためしに麦茶を作ってみた。
冷蔵庫が新しくなったから、"記念麦茶"のような気持ちだった。
これが案外、楽なのだ。
スーパーでペットボトルのお茶を買うとなると、重いし、持ち帰りを考えると、他の買い物との兼ね合いがある。
当たり前だが、米と同時にお茶のペットボトル(2リットル)は購入できない。
それでいて、切らさないようにしなければならない。
家で作れば、麦茶が切れたら、水と麦茶パックを麦茶ポットに入れて、冷蔵庫に放り込むのみ。
ポットはもちろん毎回洗うけれど、完全乾燥までやるのは、3回に1回ぐらい。
以前は、「麦茶は絶対に煮出さなければならない」と決めていた。
また、一度飲み切ったら、「絶対に丁寧にきれいに洗い、絶対に乾かす」ルールもあった。
「浄水器あるし、水出しでいいじゃん」
「完全に乾かすのは毎回じゃなくていいじゃん」
と開き直ったら、楽なこと楽なこと。
ペットボトルのお茶を買っているときは、「うちはお茶は買います。だから、水分補給は遠慮なく」と心に決めていた。
けれど、やはりわたしは古い人間なのだろう。
なんとなーく、日常的に補給する水分を買うことに抵抗があったのだ。
「もったいない」意識もあった。
飲み方が、知らず知らずケチケチしていた。
これは夫も同じようで、家で麦茶を作るようになってからは、ふたりとも水分摂取量が増えた。
健康管理上、好ましいことだ。
出汁に関しては、以前、勝間和代さんが「水出し出汁」をすすめていて、気になっていた。
なんでも水ににぼしを放り込み、6時間程度放置するだけで美味しい出汁が取れる。
安置するだけなら雑味が出ないので、頭やはらわたを取る必要もない。
やってみるとたしかに楽だ。
勢いに乗って、雑誌に載っていた「昆布とかつおの水出し出汁」をやってみたら、こちらのほうが好み。
にぼしはやはり「魚の風味」がして、雑味というほどではないけれど、わたしはそれが気になってしまう。
にぼしにしても、昆布とかつおぶしにしても、出汁パックより味は淡いけれど、薄くはない。
自然でやわらかい味になる。
ちょっと手間はかかるけれど、いまや水出し出汁が手放せなくなってしまった。
正直、息をするのもめんどくさいわたしにとって、麦茶も出汁も、作っていることが我ながら信じられない。
とくに、麦茶には「家で作ることで、買い物の負担軽減」というわかりやすい「楽」があるけれど、出汁は純粋な負担増だ。
そこに共通しているのは、「罪悪感」だと思う。
「日々補給する水分を、買って済ませている」罪悪感。
「お高めの出汁パックを毎回使い捨てている」罪悪感。
出汁パックは中身も利用できるのものの、わたしの手腕では、使いきれないことが多かった。
「気にしないようにしよう」「割り切っている」と思っても、そういった罪悪感を消すことはできなかったのだ。
あるいは、罪悪感を抱けるぐらいには、生活にまだ時間的余裕があるのだろう。
そういった「罪悪感」は、きっと「手間」に近いものなのだ。
めんどくさがり屋の人間にとっては、それはそれでめんどうくさい。
知らず知らずのうち、気持ちのどこかが圧迫されている。
少しの手間と、「罪悪感の払拭」を天秤にかけたら、後者が勝る。
そんなこともあるのだ。
めんどくさい、めんどくさい、息をするのもめんどくさい。
しかし、罪悪感があるのもめんどくさい。
冷蔵庫を大きくしたことで、こんなことに気づくとは思わなかった。
人生はちいさな驚きの連続だ。
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昆布とかつおぶしの水出し出汁は、これに近いレシピ。
わたしはお茶パックは使わず、ハリオの水出し茶用の冷水ポット(1200ミリリットルのほう)を使用。
昆布は直接、かつおぶしは網に入れて水出ししています。
この冷水ポット、網の底が外せるので、お手入れがすごく楽。
ヨドバシの通販で937円。
https://www.hario.com/product/tea/coldbrew/HCC.html
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写真は
《水中の気泡のフリー素材 https://www.pakutaso.com/20180238046post-15223.html》