平凡

平凡

フリーライターのカバンの中身はこんな感じ!

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この前書いた記事、一回間違えてアップ→下書きに戻す→後日アップしたせいか、購読リストに反映されていないのでは? と疑っています。いちおう、ここで告知しておきます~。

本じゃないけど、読んでおもしろかったWeb小説を - 平凡

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さて。

今週のお題「カバンの中身」。

みんな「カバンの中身」企画が大好きだな!

わたしも大好き!

というわけで、今回は「フリーライターであるところのわたしのカバンの中身」です!

 

 

そもそもの「カバン」

まず、そもそものカバンは、そこそこ落ち着いた色合い、デザインのリュックサック。これ一択。

10年ぐらい前までは、洋服に合わせてショルダーバッグをとっかえひっかえしていました。

そのため、都度都度「忘れ物はないか?」を確認必須。

「荷物入れ替えるだけ」だし、ジャンルごとにできるだけポーチに収納しているけれど、入れ忘れるものはどうしたって出てくるもの。

「外出が苦痛になる原因の一端は、出かける前の荷物確認では」と気づいてから、かばん入れ替えは廃止、リュック一択にしました。

そうしたら、出かける前の脳がチリチリするようなストレスがなくなって、信じられないぐらいラクになりました。

 

メイン

ICレコーダー

取材、インタビューはこれがないとはじまらない!

編集者だとスマートフォンで代用する人もいますが、ライターはたいていICレコーダー。

人間の声を拾うことに特化していて、聞き返すときのストレスが違うんですよね。

スマートフォンでもアプリを使えば違うのかもしれません。

インタビュー中は、手元から離れたところに録音機器を置くこともあります。スマートフォンでは、いろいろな意味で落ち着かないのです……。着信があるかもしれないし、プッシュ通知が画面に現れるかもしれないし。

ICレコーダーはスマートフォンよりスリムなので、置く場所を選ばないのもうれしい。

 

ペン×3

絶対必要。

とはいえ、わたしは「聞きながら書く」のが苦手なので、インタビューではできるだけICレコーダーにお任せする方向。

そんなインタビュー中であっても、「次に聞く話題」をメモすることもあり、手元にペンがないと落ち着きません。

インタビューではなく、何かやってもらいながら話を聞くような取材になると、録音だけでは拾えない情報が増えます。録音機器を落ち着いて置けるような環境とは限らないので、メモを取るのは必須。

そして、なんでペンが3本なのか。

これは駆け出しのころのある体験から。

当時持ち歩いていたペンは2本でした。

一般の方複数人を招いての座談会で、ペンが1本壊れたことがありました。

残り1本のペンでメモを取っていたところ、「ちょっと借りますね」と座談会参加者がひょいっと持って行ってしまい、途方に暮れたことがあったのです。

一般の方に時間を取ってもらっての取材は、めちゃくちゃ気をつかいます。

金品が提供されていても謝礼レベル。「メディアに積極的に出たい」と思っている人なんていません。出てくれるのは、純粋な好意にほかならない……。

そう思うと、ペンを返してほしいとは言えなかったのです。

とはいえ、座談会であれば、「誰が何を発言したか」のメモは必須。録音を聞き返しても、誰の発言か“聞き分け”がつかないからです。

おろおろしていたら、編集さんが気がついて貸してくれました。感謝……!

そんなわけで、ペンは2本では足りない。3本はほしい。

お気に入りは、ジェットストリームSARASA

一時期はVコーンを使っていたけれど、取材中は扱いが荒くなるせいか、液漏れが多数発生。

持ち歩く仕事では、使わなくなりました。

 

ノート

上記のような理由で、ノートも必須。わたしはA5サイズを愛用。

ページが多くて安いものがいいので、無印良品の100シートのものか、Campusの方眼の80シートのものを購入することが多いです。

 

名刺

いわずもがな、働く人の必須アイテム。

 

モバイルバッテリー

スマートフォンの電池が切れたら、取材場所にたどり着けないので……。必需品。

 

ヘッドフォン

気分を高めるために音楽を聴くほか、移動中に資料となる映像を見たり、音楽を聴いたりすることも。

カナル型など、耳に入れる形のイヤホンはどうしても上手く使えないので、ヘッドフォンです。

思い切って買ったBOSEのSoundLinkを使っているけれど、音はいいのかな……。よくわかりません。

 

巻き尺

年に2、3回ぐらいしか使わないけれど、カバンに入れています。

撮影で「モノのサイズを測る」必要があったり、取材先で「この作品は大きさがわかりにくいので、サイズを載せよう」ということになったりすることもあるため。

他のライターさんは、あまり持ち歩いてないかも。

 

ふせん

これも持っているとときどき役に立つんですよね。

複数人が集まる撮影時、自分の紙コップに名前を書いて貼ったり、商品と商品名を一致させるため、付箋に商品名を書いて商品の近くに貼って、スマートフォンで撮影したり。

取材の待ち時間に、広報の方が「ここの資料に! ふせんを貼りたいのですが! ふせんなんて持ってないですよね……」と言われ、分けたら喜ばれたこともありました。

 

ウェットティッシュティッシュ

自分の食事のほか、食べ物系の取材・撮影があるときは、役に立つこと多数。

 

手ぬぐい

たっぷり手が拭けて乾きやすいので、ハンカチやタオルがわりに。

コロナ前から外食前は必ず手を洗う習慣があったため、ずっと手ぬぐいを愛用。

スタジオでお取り寄せなどの撮影をするときは洗い物も手伝うので、自分用の手ぬぐいがあると便利。

 

予備のマスク

外で飲みもの飲んでいるとき、マスクが飛ばされちゃったら……とか怖いので。

コロナ禍の初期の初期、「室内ではマスク必須」が浸透しはじめたころ、マスクを忘れた編集さんに分けたら、めちゃくちゃ感謝されたことも。不織布マスクが希少な時期がありましたね……。

 

マイバッグ

帰り道の買い物のほか、撮影場所で何かいただくこともあり、あるととっても便利です。

 

サブ

折り畳みキーボード

わたしの場合、パソコンを持ち歩くことはめったにありません。待ち時間がある場合、スマホと折り畳みキーボードで原稿を書きます。

 

ふつうのイヤホン

ICレコーダーの容量がいっぱいになっているとき、移動中にデータ消去することがあります。イヤホンを接続して、音声内容を確認して消去するために使用。かさばらないので、仕事道具ポーチにつっこんであります。

家でやれよって話なんですが、立て込んでいるとどうしても……。

 

以上です。ほか、スマホや財布などありますが、それは省略。

 

あんまり特別なものはありませんが、書いてみて、「いろんなことがあって、使うものが決まってきたんだなあ」と遠い目になりました。

このお題は他の方のブログを読むのも楽しそうです!

皆さんのカバンの中身も教えてください~!

本じゃないけど、読んでおもしろかったWeb小説を

今週のお題に寄せて書いたのですが、お題期間が終わったので、公開してお炊き上げするものです。

 

というわけで、今回の記事は、タイトル通り。

本じゃないけど、最近ってわけじゃないものが多いけど、Web小説でおもしろいなーと思ったものを備忘録がわりに書き出してみます。

一般文芸に近いテイストのものが中心です。

わたしは無名作品を掘り起こす、いわゆる“スコッパー”ではないので、有名な方多めかもです。

Web小説といってもいろいろあるんですぜ~ってことで。

 

紹介するのは「カクヨム」掲載作品ばかりですが、はてなとUIが似ているので比較的読みやすいと思います。

 

 

 

『煙になって消えたい。』
尾八原ジュージさん

煙になって消えたい。 - 煙になって消えたい。(尾八原ジュージ) - カクヨム

短編。6500文字。

幼馴染の男性二人による、ほの暗いロードムービー。そこはかとなくただれていく感じがたまらない。

作者は短編と言えばこの人、という地位を築いている書き手さん。

筆が速くて多作で、独自の世界があっておもしろい作品をたくさん発表しています。

なかでもわたしはめちゃくちゃこの短編が好き。

年に何回か、ふっと思い出すんですよね。

 

 

『ツインツイストドライブトライブ! 卓球ダブルス青春殺伐高校男児バチバチ炎獄血風劇』雨蕗空何さん

ツインツイストドライブトライブ! 卓球ダブルス青春殺伐高校男児バチバチ炎獄血風劇(雨蕗空何(あまぶき・くうか)) - カクヨム

こちらは長編。トンデモなのにめっちゃ熱いスポ根ものです。

タイトルやキャッチにピンときたら1話を読んでみてください。

わたしは同じ作者さんの前作の「なえみやねこねこ大騒動!」も大好き。

王道少年漫画ノリとギャグが入りまじった作風で、「熱血もトンチキも全部真面目にやるからおもしろい」を体現しています。*1

 

『あなたの矢の速度』都市と自意識さん

あなたの矢の速度(都市と自意識) - カクヨム

13歳の少女が、団地に長年住んでいるエルフと会う話。

5万字なので中編かな?

日常と非日常の混ぜ方がすごく魅力的。

てらいない描写だからこそ、悼み、記憶、歴史などが伝わってくる内容。

 

『狐降る夕、君を想ふ』夢見里 龍さん

狐降る夕、君を想ふ(夢見里 龍) - カクヨム

短編。7000字。

とにかく美しい短編です。

書き方のクセやリズムはみな違っても、「文体」とまでいえるものを持っている書き手さんはなかなかいない。

さらに、「文体が内容に奉仕している」、つまり文体が物語のムードを盛り上げている書き手さんはさらに少ないと思っています。

おもしろい、胸を打つ物語であるためには、必ずしも「文体が内容に奉仕している」必要はないんですよね。

夢見里さんは「文体が内容に奉仕している」なあと思います。

紹介した短編も、モチーフ自体は一般的であっても、この方が書くから美しく唯一無二。

「狐」が降るシーンの描写の美しさは圧巻なので、ぜひ読んでほしい……!

夢見里さんはネットにも小説を上げているものの、賞に応募し続けていたガチ公募勢の方のもよう。

なぜ過去形かと言いますと、昨年、電撃小説大賞の最終選考になり、その作品『死者殺しのメメント・モリア』が書籍化し、デビューされたからなのでした。

 

異なるベクトルで「文体が内容に奉仕している!」と思ったのは、アニメ化された『スーパーカブ』(トネ コーケンさん)。

乾いた筆致と主人公の乾いた内面がものすごくマッチしていて、だからこそスーパーカブによって彼女の世界が拓かれていくのがみずみずしい……。

アニメは音の少なさと映像でこの文体と世界観を再現していて、これまたすごいと思いました。

書籍化されていますが、Web版はカクヨムで読めますので、ぜひ。

スーパーカブ(トネ コーケン) - カクヨム

 

『宮廷画家と征服王』
つるよしのさん

宮廷画家と征服王(つるよしの) - カクヨム

宮廷画家が、征服王から「ムサシノ」を描けと命じられ……。

3700字の短編なので、ぜひ読んでほしい。

ネタバレなので明言を避けますが、とあるテンプレのあっと驚く変奏曲。

征服する側の孤独、される側の心の機微、短い物語に見え隠れする宮廷画家とギルバートのブロマンス的な絆……。

それらをこの作者さんならではのみっしりとした描写で描き切っています。

カクヨムで開催される「角川武蔵野文学賞」の、「ライトノベル部門大賞受賞作品」に輝いた作品(21年度)。

なんで武蔵野文学賞なんてものがあるかというと、「カクヨム」は武蔵野に新社屋を構えたKADOKAWAのサービスだからですね。

 

***番外編***

『同志少女よ、敵を撃て』逢坂冬馬さんインタビュー

【㊗本屋大賞】「デビュー前夜」Vol.1 『同志少女よ、敵を撃て』逢坂冬馬インタビュー(カクヨム運営公式) - カクヨム

『同志少女よ、敵を撃て』の逢坂さんは早川書房の新人賞を狙うガチ投稿勢だったそう。

賞への投稿は孤独な作業なので、ここ数年はWeb小説投稿サイトを使って、展開の良しあしをみていた……という話が語られていておもしろいです。

『同志少女よ、敵を撃て』も、一時期カクヨムにアップして、PVを通して読者の反応を見ていたそう。

(投稿前に非公開にし、賞に投稿しての受賞なので、「Web小説発」というわけではありません)

賞への投稿でのデビューと、Web小説からの書籍化は、求められるものも目指すものもまったく別ベクトル。

でも、こんなハイブリッドな投稿サイトの使い方もあるんだな~と思いました。

 

以前も紹介しましたが……

『きちんと学びたい人のための小説の書き方講座』フィルムアート社

きちんと学びたい人のための小説の書き方講座(フィルムアート社) - カクヨム

『映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと シド・フィールドの脚本術』や

『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』『感情類語辞典』など、創作に興味がある人なら一度は聞いたことのある名著を出版しているフィルムアート社。

同社が自社本から抜粋して、物語やキャラクターの作り方を解説する連載。

この連載自体勉強になりますし、読んでいるうちに自分のスタイル合う本、知りたいことが書いてある本も見えてくるので、創作系の本を買うときのガイドにもなってくれます。

 

いかがでしたでしょうか。

Web小説の何が大変かって、好みの作品に出会うことですよね。

大量に読んでいる方は、宝探し感覚で楽しんでいる方も多い気がします。

ピンとくるものがあったら、秋の夜長にぜひぜひ読んでみてください~!

 

 

*1:

ここからは書き手さんについてなので、注釈で。雨蕗さんは2年以上、長編をずーっと定期的にアップして、きちっと完結させているんです。3日に1回ぐらい1エピソードをアップして、一作完結しても間をおかず次作を発表。書きたいことも、書くためのエンジンも、書くことへの意思も楽しさも、何もかも搭載している書き手さん。また、どの作品もキャッチがログライン(一行で作品の内容と魅力が伝わるようなもの)になっていて、そのあたりも作り込んでいる感じがあります。

他人のルーティンを聞いて、己の特性を知る。そんなこともありますね

ジャージで仕事してえなあ。

 

会社で仕事をしていたとき、常に考えていたことだ。

ことに最初に勤めた会社は保守的な気風があり、編集業がメインだったものの、オフィスカジュアル程度の服装が求められた。

わたしは社風に合わせているつもりで、冬ならツイードなどの柔らかい素材のワンピースにベロアのジャケットぐらいは羽織って出社した。

そんな服装でも、肩が凝るものだ。

ストッキングやタイツは常に脚にはりついているし、ワンピースの下によく合わせていたタートルネックのカットソーは体にぴったりとしたタイプで窮屈だ。

当時の服装の流行は、いまよりもシルエットがタイトだったように思う。

ゆったりとしてそこそこきちんと見えるスタイル、というものは一般的ではなかった。

オフィスでは、化粧の感触やにおいも気になった。

外出時はよいのだが、デスクワーク中は常ににおいがしていることに気を取られた。

 

次に勤めたライターばかりの会社では、服装規定は緩やかだった。

それでも女性ばかりの職場に触発されてそこそこおしゃれをしていくと、わりあい肩が凝るし肌ざわりもよくないし、とにかく気がそがれる。

やっぱり取材があるとき以外は、いっそジャージを着たいなあ……。

夜中残業するときは、こっそり着替えちゃおうかなあ……。

 

そう思いつつ、フリーランスになった。

はちゃめちゃな生活の中での唯一のルーティンが、「起きたら仕事前に服を着替える」だ。

着替えるといっても、デスクワークに集中できるよう、極力ラクなかっこうをしている。

ポイントは締め付けがないこと、肩がこらないこと。

肌ざわりが気にならない素材はマスト。肌ざわりがよければなおよし。

わたしはビシバシ緊張して仕事モードに切り替えるよりも、安心感の中で心身を安定して取り組みたいほうなので、肌ざわりがよいとパフォーマンスは上がりやすい。

 

仕事着の定番は、ワッフル素材のワンピースか、無印良品の画家が着ていそうなコットン素材のシャツワンピース。

またはGUのシェフパンツにスウェット。夏はリラコにお気に入りのTシャツ。

人から見たら寝巻から寝巻に着替えているような日もあると思うが、本人的には寝るときに快適な服装と、仕事のときにラクな服装は違うのである。

 

会社員時代に憧れた「ジャージで仕事」だが……。

ラクではあるが、あまり肌ざわりがよくないので、ジャージは仕事着として採用には至らなかった。

 

家での仕事中は、化粧もしない。

昔は「これってどうなの」と思っていたし、たまに「これではいかん」とメイクをすることもあった。

でもやっぱり、顔に何か塗っていると、気を取られてパフォーマンスが落ちるのはたしかなのだ。

 

おしゃれは我慢と昔はよく言った。

服装やメイクに手をかけないと、どんどん雑になるのは事実。

ラクなほうに流されているのもたしかだが、窮屈さには耐えられない。

気になることを極力排した状態で、キーボードを叩いていたい。

 

もちろん外での取材やインタビューがある日は、そこそこきちんとしたかっこうをするようにしているし、化粧もするし整髪料もつける。

 

そんな風に楽ちんフリーランスを満喫して数年どころか10年以上。

コロナ禍の影響で、さまざまな会社、業種で在宅勤務が一般的となった。

皆が在宅勤務に慣れてきたころ。

「仕事をするには、なんだかんだ気持ちの切り替えが必要なので、スーツで仕事をするようになった」といった声を複数見かけた。

会議が多い職種など、仕事の違いもあるのだと思う。

それでも、わたしにとってそう考える人がいることは驚くべきことだった。

そして、ふと気がついた。

 

「スーツやオフィスカジュアルでデスクワークをすることに、それほど苦痛を覚えない人も多いのかもしれない」

 

ボサ髪ノーメイク在宅稼業自営業者としては、目がさめる思いであった。

 

仕事中の服装の好みは、わたし自身のちょっとした特性によるものだろう。

窮屈な服装は、みんな窮屈なことには変わりがない。

変わりはないけれど、わたしは人よりちょっとだけ苦手度が強い。

 

というわけで冷え込みが強くなった今は、GUのシェフパンツとUNIQLOのスウェットに身を包み、キーボードを打っている。

UNIQLOのスウェットは、色によって肌ざわりが若干違う。

何年か前に買った、この褪せたブルーの一着はムニムニとしていい感じなのだ。

中年女性にとって、あまりにもカジュアルな服装ではある。

おしゃれな人が着れば違うのだろうが、わたしはとくにセンスがよくはない。

「寒いから」と履いていた靴下は、窮屈に感じて脱いでしまった。

これからの季節は、冷えるのは嫌vsできれば開放的に裸足でいたいよ~のせめぎ合いだ。

こんな人間がよくタイツとパンプスを履いて、10時間以上も会社でデスクワークができたものだ。

 

そして、ここまで書いて思うのであった。

自分は、なるべくしてフリーランスになったのだな。

 

いろいろなことを標準に合わせようとは、もう思わない。

快適にパフォーマンスを高めることに注力し、苦手なことは自分を責めるのではなく、テクノロジーで対応する。

締め切りを守ることに苦労するなら、ポモドーロテクニックで時間感覚の弱さを補う。

出かける用事がある日は、「用事の開始時間」のほかにも、「外出準備」をはじめる時間、「家を出る」時間もGoogleカレンダーに入れておく。

そういった工夫のひとつに、服装がある。

 

そうだ、今年は機能性防寒肌着も、ヒートテックよりもゆったりしたものを探してみよう。

肌にぴったりしていたほうが保温効果が高そうだが、あれはなかなか肩がこる。

ラクと快適さには貪欲に勤勉に。

それがわたしのワークスタイルだ。

 

今週のお題「マイルーティン」

 

画像は《資料を見ながら検討する上司と部下の女性のフリー素材 https://www.pakutaso.com/20210451112post-34452.html

こういうスーツで働いている人はすごいと思います。

とても短い雑感です

10月最初の週末は、とあるライティングスクールが破綻したとかで、一部界隈がザワついておりました。

そこはWebライターを育てるスクールで、講座修了すると好条件の案件を紹介してくれるのが魅力だったようです。

 

Webライター業界とわたしのような古いライター界隈って、「別の国」って感じで、お互い興味を持たないんですよね。

いい悪いじゃなくて。

 

でも、うーん。

スクール破綻にまつわるいろいろな反応を見ていて、業界についての無知を悪用している人がいっぱいいるなあと感じました。

 

いま、「フリーランスになる」「在宅で働く」「Webライターになる」が、いろいろな困難を抱え、弱った人の希望の受け皿になっています。

もちろん、志望者は弱った人ばかりではないですよ。

困難を抱えながらも、道を切り開いている人もいるでしょう。

でも、なんらかの困難を抱えた人が、「これなら」と思って飛び込んで(ここまでは問題がないのです)、スクールや商材にお金を払っているケースは多い。

そのなかには、あやしいものも相当数あるのではないかと思います。

 

よその国(比喩)の商売に言えることなんて、何もないかもしれないですね。

それでも一フリーランスとして、これ一本で食ってるライターとして、自分にも何かできることはないのかなあ、なんて考えています。

外から見りゃみんな同じ「ライター」ですしね。

 

その「ライター」が釣り餌にされているのは、気分が悪いって話なのでした。

ブログのこと書いてるうちに柿がなり9月が終わる

日差し……強っ。

こんにちは、平凡です。

洗濯ものを干しにベランダに出た、わずか10分で日差しにやられました。

にもかかわらず、湿度が低いので快適。

しんどいのか心地よいのかわかりません。

 

 

9月はあんまりブログを書いていないうちに過ぎ去っていきました。

三連休2回もあったのにホワイ?

書いてる内容も、書くとは……とか、ブログこうしていきたいとか、それ系が多いです。

 

9月は、ごくごく個人的な事件がいくつかありました。

9月13日にアップしたこの記事が、過去最高のアクセスを叩き出したのです。

24日一日で4086。25日で1174。

hei-bon.hatenablog.com

 

はてなブログのトップページで取り上げていただいたことがきっかけです。

で、もう一段階ありまして。他サイトから言及いただいたのですが、そのひとつがかーずSPさんでした。ひええ。

 

スマホをなくす*1」のは誰にとっても身近なのは言わずもがな。

それに加えて、「スマホを使った二段階認証は簡単に詰む」ことへの言及が多かった印象があります。

はてなユーザーにIT系の方が多いからでしょうか。

 

「お役立ち記事」が短期間に多く読まれるにはいくつかの要素が必要で、今回は以下の3要素があったんだなと思いました。

 

参考になりそう+個人の体験が入っている+自分の体験、ふだんから考えていることを語りたくなる(ツッコミ欲をあおる)

 

実は、過去にもはてなブログトップで紹介してもらったことはありますが、一日300~400。

たしかエッセイ的要素が強い記事だったと思います。

 

お役立ち記事にしても、エッセイ的な文章にしても、読まれるエントリーをバシバシ書いている人ってすごいんだな~と改めて感じました。

いずれにせよ、炎上ではなく多くの方に読んでいただけたのは、幸せなできごとでした。

 

9月はもうひとつ、小説のほうも100超え、200超えの日がありました。

他の方に教えていただいたのですが、100のときは「注目の作品」にピックアップしてもらっていたようです。

わたしが利用している「カクヨム」のトップページにはそういうものがあるのです。

この「注目の作品」は最近アルゴリズムが変わり、閲覧履歴を加味して、人により表示内容がアレンジされている模様。

「恋愛」カテゴリーをたくさん読んでいる方のおすすめに表示されていたのかもしれません。

 

読者の増加はわずかでした。

前ならそこで落ち込みましたが、もはやそういうのは超越して、「読まれる機会に恵まれたんだからいっか」と思えるようになりました。

あとね、個人の創作を読んでくれる人がわずかでも増えるって、すごいことですよ……。

 

また、小説の告知ツイートをしていたら、そこから読者になってくださった方もいました。

個人の創作の告知ツイートって、「毎日がんばったら意味がありました!」みたいな目に見える効果は皆無です。

ただ、当然のことながら、楽しく「書いたよ~」ぐらい告知しておけば、「このキャッチなら読んでみようか」と思う人の目に入る可能性はある。

あと、交流のある書き手さんが他人の告知をRTしていると、「この人が気になっている作品なのか~。じゃあ読んでみるか」ってなりますしね。

「どうせ意味ないし……」と拗ねたりなまけたりせず、できることを楽しめる範囲でやることには意味があると、当たり前のことを実感しました。

 

今月は、自分自身、メインのTwitterでフォロワーさんが激推ししていたWeb小説を読んでみたらとても面白かった、という体験をしました。

正確にいうと、そのフォロワーさんは2~3年前からその作家さんを推していました。

目にしていたけれど、クリックにいたらなかったのです。

でも、夏に発表された新作のタイトルと設定が、わたしにとってすごく魅力的だったんですね。

そのフォロワーさんが激推しし続けていなかったら、きっと読むことはなかったと思います。

発信って大事。

 

本業のほうでも、Web上でありがたいお言葉をいただく機会がありました。

 

ところで。

わたしはここ2年ほど、「しいたけ占い」を心の支えにしています。

しいたけ占い」は、占い師のしいたけ.さんによる星座占い。

読めばすぐわかるのですが、この占い、「当たる、当たらない」ではないんですよね。

しいたけ占い - 星座・今週の運勢 | 占い | VOGUE GIRL

「あなたはこういう傾向のある星座の人で、こういう星まわりだから、今週はこうやってがんばるといいかも」的なことが書いてある。

励まし付きのライトなコーチングといいますか。

「人は12星座なんかでくくれない」「誰にでも当てはまることが書いてある」のは当たり前で、だからこそ意味がある。

だって、みんなだいたいがんばってるでしょ? 

だったら12カテゴリーにくくった、ざっくりした励ましがあってもいいじゃない、みたいな。

 

で、「しいたけ占い」の下半期占いによると、わたしは9月がラッキー月。

それを見たときは、本業でどっかんどっかん稼ぐとか大きなことを期待したのですが(笑)*2

 

蓋を開けてみれば、

「続けていれば、読んでいただく機会に恵まれることがある(ブログとか小説)」

「まじめに仕事をしていれば、誰かの目にとまって、お言葉をいただけることもある(本業)」

という、ちいさくて当たり前で、でも続けるための大きな支えになってくれるできごとに恵まれたことがラッキーだったのかな、と思います。

 

何事も、ちょっとずつしか進まないんですよね。

 

と、いい感じに9月を締めくくろうと思ったのですが……。

 

いい加減運動習慣も取り戻さないとヤバいです。

とりあえず「書く」ことは、あと一年ぐらいは同じようなペースでやろうと思っていますが、

どっかにねじ込まないと……。

 

最後になりましたが、期間限定で公開していた「その音」、下書きに戻しました。

反応もいただいて、うれしかったです!

ありがとうございました。

 

それでは年末に向け、皆さま、ご無理なさらず走ってまいりましょう。

 

画像は《コスモスに包まれるのフリー素材 https://www.pakutaso.com/20220247040post-38801.html

秋と言えばコスモス! どっか行楽に行きたいですねえ……。

*1:あのエントリーに見つからないと書いた「2枚目のクレジットカード」と接種証明、無事発見されました!

*2:さっきまで、「当たる当たらないではない」と書いていたはなんだったのか

ネットで、複数のアカウントを使い分けている。

とはいえ、そんなに人格を変えたりはしていない。

てか、そんなもん器用に変えられない。

わりといつでもどこでも丸出しである。

違うのは、政治的な話題に言及するかしないか。

実名がわかる仕事の告知をするかどうか。

このふたつぐらい。

 

メインにしているTwitterアカウントは匿名だが、そちらでつながった人とはリアルで会ったり、仕事をしたりしている。

仕事は実名でやっており、彼ら彼女らは“中の人”を知っているわけで、完全なる匿名アカウントか? というと微妙だ。

そっちでは私的な発言をずーっと垂れ流しているので、そのうえで付き合いが続いているのは貴重だなと思っている。

 

もうあんまり分けなくてもいいんじゃないかなあ、なんて思っている。

仕事に関する文章は、同業者が見ているところで流すのもいいかもしれないし。

エッセイ的な文章だって、小説だって別に。

「へたくそだなー」と思われたら、次からは読まれないだけだ。

逆に、そっちを読んでくれている人*1に、実名の仕事が知られてもとくに問題はないような気も、する。

 

結局、わたしはわたしでしかないのだし。

今のところは、分けることで守られている、何か柔らかいものはあるかないかを考えている。

 

ブログは――。

ここがこの形であったから出力できたことがたくさんあるのはたしかだ。

また、プラットフォームやコミュニティがつくってくれるものもある。

はてな」は、UIもユーザー同士のつながり的にもとても書きやすい。

 

私的な文章「も」書く。

とにかく最後までその打席に立ち続ける。

わたしの目標はそれだけ。

形や場所については、目下迷い中だ。

 

欲求に即したことをいうと、もはや自分の文章を書かないと気持ち悪い。

それと、下手でもなんでも、どこかに公開した自分の文章を読むことで得られる落ち着き、みたいなものが存在する。

それは内面をつづったものでも、スマホをなくした体験談でも、海外でのWi-Fiでの借り方でも、小説でもなんでもいい。

で、それを続けるうち、「商業ライターの仕事も好きだ。ぜったいに続けたい!」という気持ちも同時に強くなった。

金銭と生活以外にも、仕事の出力でしか得られていないものが確実にある。

 

あと一年ぐらいはこのまま走るかもしれないし、形を変えるかもしれない。

いまの使い分けに意味を持たせ、十年先もこのままかもしれない。

 

もしも何か変更する場合、移転先または告知アカウントをお知らせするので、よろしくお願いいたします。

*1:このブログの読者の方々とか

古い革の手帳には、一枚の写真が挟まれている。

 

大学時代、部活の引退試合を終えて、同期みんなで撮った集合写真。

高校時代まで、わたしは部活とかスポ根とかとは無縁だった。

運動神経も皆無。

団体行動も苦手。

そんなわたしがどうして大学でわざわざ運動系の部活に入り、曲がりなりにも4年間つづけられたのか、周囲も不思議がったし、自分自身もいまもってわからない。

 

集合写真のなかのわたしは、歯を丸出しにして、ハタチを過ぎた人間とは思えない笑顔を見せている。

負けて、負けて、負けて、うまくできたためしのない4年間だった。

思えば苦手なことをやりきったというのははじめての経験で、それはわたしに一定の達成感と自信を与えてくれたような気はする。

その達成が、とくに人生を劇的に好転させたことはない。

それでも自分の一部になっている。そういうもの。

 

リフィルを変えながら使っていた古い手帳は、もう長い間ほこりをかぶったままだ。

スケジュール管理はGoogleカレンダーに、メモはEvernoteに移行してしまった。

わたしは手書きすることに意味を見出すアナログ派だが、同時にメモリがあまり大きくない人間でもある。

手帳を手放し、スマホに一本化したことで、外出時の荷物管理の負担は大きく減った。

たぶんもう、手帳が復活することはないだろう。

 

写真のことも手帳のことも長らく忘れていた昨今。

『もういっぽん!』という柔道漫画を読んだ。

mangacross.jp

冒頭は、主人公の中学時代の最後の試合からはじまる。

第1話は主人公の敗北だ。

それ自体はよくある展開なのだけど――。

主人公は試合後の更衣室でつぶやく。

「けっこう頑張ってきたきたつもりだったけど」

「あんまり強くなれなかったねえ」

 

ころころとかわいらしいものの、線が多くて空気感がビシビシと伝わってくる絵柄で描かれる、試合中の描写、更衣室のざわめき、多くの学校の生徒が入り乱れる体育館のホール。

そこにいる、周囲から注目もされない、強くもないワンオブゼムとしての主人公たち。

 

そのとき、一気によみがえってきたのだ。

汗をかいたときの、道着のむせかるようなにおい。

次第にほつれていく襟首のやわらかさ。

夏のダッシュ

寒げいこの早朝ランニング。

受け身をとってとってとってとって投げられて。

わたしがやっていたのは柔道ではないのだけど、

 

「けっこう頑張ってきたきたつもりだったけど」

すごくすごく頑張ってきたけど。

「あんまり強くなれなかったねえ」

ほんとうはもっと強くなりたかった。

 

部活をやっていたのは、「人間関係のモデルがない寄る辺のない大学生活で、ロールプレイがしたかったから」。

hei-bon.hatenablog.com

長年そんなふうにうそぶいてきたし、上記のようなエントリーも書いたことがある。

それも嘘ではないけれど。

でも、ほんとうは何かを求めてがんばっていたのではないか。

それはきっと、とても単純なもの。

勝ちたいとか強くなりたいとかことばにしたら、かえって本質が見えなくなってしまうほど、純粋なもの。

 

ひとが追い求めるものは、時として結果をともなうものばかりではない。

でも、結果をともなわないものは、すぐにノイズにかき消されてしまう。

 

ひさしぶりに手帳を開いてみる。

写真のわたしは、もうほとんど他人に見える。

きっとあなたは気づいていないけれど。

何かをもとめて、毎日毎日稽古に明け暮れていたんじゃない?

 

10年近く前のリフィルがはさまったままの革のバイブル型手帳。

時を止めた写真のわたし。

ずいぶん遠くまできてしまったな、と思う。

それでも白い歯を見せて笑うわたしが見ていた光は、まれに時空を超え、瞳を刺して、心を貫く。

宇宙をたったひとりで歩くように老いに向かう日々のなか、それはあまりにもまぶしい。

 

今週のお題はてな手帳出し