平凡

平凡

新型コロナ療養記、我が家の場合

コロナ療養期間が終わりました。

結論から申し上げると、うちは軽症の軽症だったと思います。

夫婦ともに熱は高くて38度台。発症から5日ほどで平熱に戻りました。

噂の「唾が飲み込めない」ほどの喉の痛みもありませんでした。

また、発症がズレていたため、夫婦でお互い看病し合うことができました。

ただ、症状がゆるやかに移り変わるため、療養初期はどうなるか見通せず、不安でした。

これは風邪やインフルエンザとは違うところだと思います。

体力消耗もあり、10日の療養期間は有症状者にとってはゆとりがあってよいものだと感じました。

夫婦ともに発熱外来で検査を受けられたことも幸いでした。

わたしがかかった病院は、説明も丁寧で電話のフォローアップもあり、心強かったです。

薬局が家に薬を届けたうえ、電話で丁寧に説明をしてくれたのも助かりました。

多くの陽性患者がいるなか、頭が下がりました。

通販がありがたく、運送業者の方にも感謝の念が尽きません。

 

今回はお役立ち情報というより、「わたしたちのケース」を書いておきます。

何かの参考になれば。

 

療養期間中に書いたエントリーはこちら。

第7波が来たぞぉぉぉぉぉ!!!!! - 平凡

 

***

基本ステータス

夫婦ともに40代、ワクチン接種3回。

夫、モデルナ×3。わたし、ファイザー×2、モデルナ。

最後のワクチン接種は3月。

 

夫発症3日前

夫の職場で3人ぐらいが新型コロナウイルスに感染。体制がガタガタである、みたいな話を聞く。

 

夫発症2日前

夫、この日は休日。疲労感が強く昼寝を試みるがうまくいかず。「クーラーがすごく寒く感じる、冷風で喉がつらい」と言う。「発症2日前」としているが、医者のツイートによると「クーラーに喉をやられる」というのは典型的な「はじまり」らしい。

 

夫発症1日前

夫、「眠れなくてだるい」。他は異常なく、職場へ。さらに感染者が出たとLINE。その感染者の中には、夫とやりとりが頻繁にある人たちもいた。

この時点で第7波からは逃げ切れない予感がした。ちょうど時間があったのでドラッグストアとスーパー2軒に足を運んで備蓄品を買いまくる。

 

夫発症0日目

朝、夫が発熱。何回測っても37度。

職場に電話したのち、行政のページで調べて発熱外来に電話しまくる。この時点で9時30分。どこもいっぱい。

発熱外来のその日の予約が、受付5~10分で埋まってしまうことをこのとき知る。リストの最後にあった1軒で運よく夕方の枠が取れた。

夫、抗原検査で陽性。わたしは濃厚接触者に。夫はカロナールなどを病院で直接処方されて持ち帰ってきた。

自宅隔離体制を敷く。夫は基本、寝室だけで過ごすことに。

食欲はあるとのことで、夕食は豆苗と豚肉のポン酢炒めを作る。

夜、わたしは仕事部屋で寝袋を敷いて眠る。

 

夫発症1日目

夫はとなりの部屋でうんうん言ってる。ときどき咳をしている。ちらっと廊下の端と端で顔を合わせると、顔色が紙のよう。

毎月処方されている薬が尽きかけていると聞き、わたし、夫が予約している病院に電話をかけるなどする。

この日の夫、おそらく熱は37度後半のはず。

 

夫発症2日目

早朝、「熱が上がってきたので、薬を飲みたい。カロリーメイトでいいので朝食がほしい」とLINE。つらくても絶対に部屋から出ず、隔離を徹底する夫はえらい。

わたしも不安なのかあまり眠れず、体が痛いが気にしないようにする。わたし、膀胱炎の兆候が出始める。濃厚接触者ってどうやって病院にかかるんだ?

夫、あいかわらず胃腸にはまったく問題がない。希望を聞き、夏野菜カレーを作る。食後、たいへんに感動したLINEが届く。あとで話を聞くと、座敷牢状態で、食事の美味しさが異常なまでに感じられたそう。

 

夫発症3日目

夫、熱は38度になったり、37度になったり。しんどそう。たまに保健所から電話がきている。酸素飽和度が低いせいで心配されている。

わたし、膀胱炎の症状が悪化。尿に血がまじる。腎盂炎になったらどうしようと不安になる。婦人科に電話で相談すると、夏季休暇目前。「診察は無理なので、水をたっぷり飲んで」と申し訳なさそうに言われる。

水を飲み飲み、ネット診療ができる医者などを探す。結局、次の日に発熱外来に電話してみようと思い立つ。濃厚接触者なら発熱してなくてもこっちだろう。すごい頻尿。

夕飯は夏野菜カレーの残り。やっぱり夫は異常なまでに感動していた。

 

わたし発症0日目(夫発症4日目)

あまり眠れない。早朝に熱を測ったら、37度超えていた。来るべきときが来た。

8時30分を待って電話をかけまくる。話し中の嵐。運よくかつてのかかりつけ医(徒歩圏内)に予約が取れる。電話しているうちに36.4度に。この程度の熱なので、電話も難なくかけられるけれど、もっと高熱だったらと考えると……。

炎天下一駅歩き、かかりつけ医へ。抗原検査マイナス。PCR検査をする。

この医者は底抜けに明るい。

「夫が陽性で隔離中」と聞くと、抗原検査のキットを見ながら、「おおおおおっ、プラスが出ない! これは隔離が上手くいってるのかもしれませんよ!」。

ワクチンがファイザーファイザーモデルナと答えると、看護師と声を揃えて「「おおおお!」」」*1

帰りがけに、「もしPCR陽性だったら、もう自宅隔離いらないから! 夫婦で仲良く食事とかしちゃってください♪」。

検査が陰性でも陽性でもポジティブ! この明るさに救われる。

ここの発熱外来のシステムは、次のようなものだった。

時間近くなったら病院へ行き、電話をする。なんとなく路上で待機。看護師さんが出てきてくれて、保険証を回収。呼ばれるまでまた外で待つ。診察はふつうに診察室で。

膀胱炎の薬を出してもらって帰る。薬局の外で待っていると、薬剤師さんが外でお会計してくれた。そういうシステムになっているのだそう。

めずらしく膀胱炎は自力で収束しかけていたが、抗生剤を飲む。安心。この日は何を食べたか忘れた。

夫はだいぶ症状が落ち着いてきていたし、隔離しなくてよくなったので、自力で冷凍のパスタとか食べていたかもしれない。

この日、6つ折りマットレスが到着。寝袋1晩の睡眠は、マットレスでの睡眠の20分に相当! ほんとうにラク~~~!

 

わたし発症1日目(夫発症5日目)

かかりつけ医から朝イチで陽性の連絡をもらう。その時点で熱は37.4度程度。解熱剤などを薬局が持ってきてくれるし、コロナに関する薬は公費で無料とのこと。

朝ごはんを食べる気が起きず、ポタポタ焼き食べて抗生剤を飲んだ。

お互い陽性、隔離はもう必要ないということで、夫とひっしと抱擁(笑)

浮かれていたらどんどん気分が悪くなり、12時と14時に嘔吐。

夫の熱は37度台になっていたので、夫が看病フェーズに。

お昼はウイダーインをひと押しぐらいお椀に入れて持ってきてもらう。

寒気と頭痛。熱は36度台から37.6度をいったりきたり。

熱風が寒く感じて、「あ、わたしおかしいんだな」と思う。

嘔吐はコロナというより抗生剤がダメだったっぽい。

薬局が解熱剤などのドアポスト投函後、薬の説明のために電話をくれた。そのさい、抗生剤についても相談して飲むのを中止する。この、「電話で相談できる機会がある」ことのありがたさ。

薬を出してもらえて本当にありがたいのだけど、そのデカさにおののく。案の定、水で飲むのに失敗。ウィダーイン的なゼリー飲料を服薬ゼリーがわりにして飲み下す。Amazonでピルカッターと服薬ゼリーをポチ。ありがたい時代。 

夜はレトルトおかゆを1/3。

喉の痛みと咳がある。

夫、この日はまだちょっとしんどいらしく、ライフワークの英語はお楽しみ動画を見る程度。「インドではジャスミンを、若い女性が手摘みしている……」と、学習英語動画で知った、よくわからない知識を披露してくれた。

夫とわたしであまりも体感温度が違い過ぎるので、寝室は分ける。夫が六つ折りマットレス(わたしの仕事部屋)、わたしはベッド。ベッドの寝心地に感動する。

 

わたし発症2日目(夫発症6日目)

夫は平熱に。わたしはこの日は熱が38度台。さすがにしんどい。立って動いたほうが気がまぎれるときと、ベッドの上から動けないときが交互に来る。調子がいいときにシャワーを浴びる。ベランダの風景をよく見ていた。

まったく暑く感じず、クーラーいらず。

裸眼で見る夏の日差しと木々の緑は異様にきらめいている。それに鳥のさえずり、蝉の声。ものすごく苦痛がやわらぐ。

夫が昼も夜もうどんを作ってくれた。

夜、楽になったので夫婦で「タローマン」の一挙放送を見たら38度に熱が上がった。

 

わたし発症3日目(夫発症7日目)

熱が37度台に。この日はずっと37.5度ぐらい。

午前中は気分がまずまずだったので、ためしにブログを書く。

ときどきすごく咳き込んでえずく。たまに喉の裂けるような痛みがあり、「唾を飲んでも痛くなる」状態になったら嫌だなと恐れる。鼻水が少し出る。

やっぱりクーラーいらず。

わたしは初日の嘔吐がさわったのか、夫と違って胃の調子はあまりよくない。レトルトのおかゆなどを食べていた。

夜、レタスとにら、豚肉の鍋を夫が作ってくれた。

味覚、嗅覚がややあやしいけれど、「あまり感じない」程度で、「変な味に感じる」ことはない。喉鼻にくる風邪ってこんな感じかも。

ブログは書けたものの、この日ぐらいまで、電子機器を見るのがつらかった。ツイートもテレビも何もかもが刺激。

体調よいときは紙書籍で買ったルシア・ベルリンを読んでいた。生命力に満ち満ちていて、コロナ罹患時に読むのに適していた。「あたしはコロナのくそったれにかかった」とか吐いて捨ててくれそう。

 

わたし発症4日目(夫発症8日目)

熱が36度台に! 36度台になると楽。と思って仕事をしたら息苦しくてびっくりした。仕事以外だとそうならない。多少緊張して息が浅くなるのかもしれない。

咳の頻度は減ってきたけれど、ときおり「ぐえ」となんか出そうになるぐらい咳き込む。

クーラーあってもいいかもね、ぐらいに戻ってきた。

 

わたし発症5日目(夫発症9日目)

熱は36度台。仕事をしても息切れしづらくなった。あまり頭は回らない。編集さんから電話があり、「コロナになったんですよ」と話すと、「マジですかー!」とひとしきり笑って、「いや、笑いごとじゃありませんね(キリッ)」と言っていて、なんだか救われた。

食欲も戻ってきた。相変わらず味覚嗅覚は半減しているけど、あまり不安は感じていない。ときどき感じる喉の裂けるような痛みも悪化することはなさそう。

とにかく夫婦ともに悪化せず、入院が必要になって医療の危機に直面することもなく乗り切れたっぽいことへの感謝がいっぱい。

 

わたし発症6日目(夫発症10日目)

仕事が爆発してえらいことになった。咳は出るけど、ふつうに仕事ができる。クーラーもつけている。暑さ寒さをきちんと感じる!

 

わたし発症7日目(夫発症11日目)

夫、仕事へ。案外平気だったようでよかった。

あいかわらずわたしの仕事は爆発!

咳は出る。

かかりつけ医から電話。経過観察期間がそろそろ終わるので、体調うかがい。咳が出ることを話し、すこしだけお薬を追加してもらう。またもや薬局の人がドアポストまで届けてくれる……。内科の連絡は感じがよく励まされたけれど、いったい何人の陽性患者を抱えているんだろう。

 

わたし発症8日目

仕事をなんとか終わらせるが、取引先にたいへんな迷惑をかけた。

週末を経たら、自宅療養期間が終わる。味覚嗅覚も戻ってきたかな?

咳のせいで、ちょっと腹筋痛いけれど、日常に戻っていけそうな安心感はある。

 

わたし発症9日目

熱が37度に。ちょっとしんどい。

 

わたし発症10日目

ゆっくりしていたら体温は36度台に。味覚嗅覚は正常かな?

明日からゆるやか通常モードに移行して、がんばろう。

 

*****

発症4日~5日目ぐらいまでは症状がゆるやかに変わっていくので、「症状ガチャ」みたいな感覚がありました。

熱が39度行くか行かないか、喉はどれぐらい痛くなるのか、痰はどんな感じになっていくのか。

そのときどきでサイコロが振られて、症状を決められている感じです。

 

夫は風邪を引くと咳喘息になりがちで、コロナでもそれを恐れていました。今のところ、夫は咳喘息にはならずに済んだようで、咳はすこし残っていますが常識の範囲内です。

 

おもしろかったのが、皮膚疾患との関係。わたしは謎の皮膚かゆい病に悩まされているのですが、熱が37度半ば~38度のうちは、症状が出なかった。おそらくアレルギー系、免疫の暴走なので、他のウィルスと戦っているときはそちらに回す余裕がないのかな? と思いました。体温が37度前半ぐらいになるときっちり復活しました。そのまま消えていいんだよ!

 

わたしたちは40代で健康で、ワクチンを3回接種していて、そしておそらく運がとてもよかったのでしょう。

そんな例にどこまで需要があるのかわかりませんが、「何が起きたか」を参考までに書いておきます。

まだコロナにかかっていない皆さんは、どうか逃げ切って夏を楽しんでください!

かかった方は、どうかお大事に。

医療従事者の皆さん、エッセンシャルワーカーの皆さん、本当にありがとうございます。

この波が一日も早く収束しますように。

*1:抗体の上昇率が一番高い組み合わせだから……?