平凡

平凡

誰でもサンタになれるチャリティー「ブックサンタ」をやってみた!

年末、歳末、クリスマス。

年賀状、パーティー、大掃除、いろいろあるけど、チャリティーの季節!

というわけで(?)「ブックサンタ2022」というチャリティーに参加してみました。

ブックサンタってどんな取り組み?

「ブックサンタ」のキャッチフレーズは、「あなたが選んだ本を、サンタクロースが全国の子どもたちに届けます」。で、「子どもたち」には、「様々な事情で困難な状況にある子どもたち」と注釈がついています。

詳しはこちら。

booksanta.charity-santa.com

 

サイトにかなりわかりやすく説明されていますが、かいつまんで流れを説明すると、以下。

 

寄付者は新品の本を選び、贈る

主催者がそれを整理し、提携している全国の子ども支援団体に贈る

子どもたちの手元へ本が!

 

どうやって参加するの?

主な参加方法は3種類。

本を選んで寄贈したい場合は、「1」か「2」ですね。

 

1.リアル書店

めっちゃ簡単です。

参加書店へ行き、子どもに贈りたい本を選び、レジで「ブックサンタに参加します」と伝えて支払う。それだけ。

参加書店は以下で確認できます。なんと全国47都道府県779店舗!

ブックサンタ書店一覧ページ | NPO法人チャリティーサンタ

今回、わたしはこの方法で参加しました。

 

2.ネットショップで

専用のネットショップから本を贈ることができます。

ただ、タイトルは限られており、事務局が子どもの希望などを反映してセレクトしたもののみ。

とはいえ、流行りの本から名作までかなりの数がエントリーされています。

乳児、幼児、小学生、中高生向けと分かれているのも便利。

細かい話ですが、この年齢区分け別タイトル一覧、スマホサイトのほうがタブで切りかえができて便利でした。

また、「サンタにおまかせ」と、タイトルを指定しないコースもあります。

「子どもが身近にいないから、何がいいのかわからない」という人には便利です。

ブックサンタオンライン書店

 

3.クラウドファンディング

「サンタにおまかせコース1冊」または「シンプルに(活動を)応援」3,000円~支援ができます。

価格のことをいうのはいやらしいですが、上記の「ブックサンタオンライン書店」にも「サンタにおまかせ」メニューがあり、そちらは幼児向け1,200円。

キリのよい数字で活動を応援したい! という場合はクラウドファンディングがよいのかなと思います。

クリスマスや誕生日を諦めた子ども達へ「本を届ける」 #ブックサンタ へ応援を! - CAMPFIRE (キャンプファイヤー)

 

番外編

pixivとのコラボチャリティーもあり。

タグをつけてクリスマス作品を投稿すると、なんと全体の投稿作品数×500円がこのプロジェクトに寄贈されるというもの。

けっこう太っ腹ですよね。2~3作品につき、絵本1冊ぐらいは購入可能な計算になります。実際は事務費などあるでしょうが、その辺はさっぴいて。

pixiv小説子どもチャリティー企画~ブックサンタ2022~

 

どんな本を贈ることができるの?

公序良俗に反しないものであればなんでもOKだそう。ただし、はっきりと学習まんがとわかるもの以外、まんがは除外。

対象年齢も乳児向けから中高生までと幅広いので、名作絵本を選ぶもよし、大人目線で「この前、読んでおもしろかったベストセラー」を選ぶもよし。

この活動、以前は絵本限定で行っていたらしく、その後、「子どもたち」に対象が拡大したようです。

そのため絵本が集まりやすい傾向にあり、小学生向けの児童書が不足するとのこと。

 

わたしの参加方法

前述したとおり、書店で参加しました。タイトルについては、ネットショップのリストを参考に、以下を考えて選びました。

 

・できるだけ楽しいもの

・本が苦手な子でも手に取ってもらえそうなもの

・人気のもの

・世間で名作とされているもの「以外」

 

理由は、エンタメ的な作品で楽しい気持ちになってほしいというのがひとつ。

ふたつめは、大人のわたしが考える「読ませたい本」と、子ども自身が「今、読みたい本」は別だろうな、と考えたから。プレゼントなので、できるだけ子ども自身が読みたい本を選びたい。また、ニーズが高い本のほうがマッチングしやすいのでは。

本当は、子どもたちに図書カードを握らせ、好きな本を買ってもらうのが一番いいんでしょうけど、その方法のチャリティは難しいだろうな~というのもわかります。なので、なるべく押しつけにならないように。

 

そこで選んだのが、ベタですが、以下の3冊。小学生向け2冊、中高生向け1冊。

絵本は集まりやすいとQ&Aに書いてあったので除外。

かいけつゾロリ きょうりゅうママをすくえ!』(原ゆたか著)

『飛行機のサバイバル1』(ゴムドリco. 文 / 韓 賢東 絵) 

『うたうおばけ』(くどうれいん著)

 

ゾロリ』は人気と聞きますし、初回配本限定特典でイシシ&ノシシのおきあがりこぼしがついているのも、プレゼント感あっていいなあと。また、背景にキャラが隠れている、カバーやそでに切り取れる“特典”があるなど、本自体にもたくさん仕掛けがあるらしく、「所有すること」に喜びがあるんじゃないかなとも思いました。

 

『サバイバル』は、とにかくテッパンの大人気だと、子どもがいる友人たちから聞いたことがあったので。わたし自身はアニメ映画と原作1作品にふれたぐらいですが、学習まんがとしてすぐれているイメージもありました。

ただ、「1」とナンバリングがあり、続きがあるのは確認不足でした。単体で読んで面白そうか、店頭で確認すればよかった。

 

くどうれいんさんは、比較的若い書き手であること、好きな子は好きだろうなと思って。たぶんこのタイトルは、子どもの希望がないとリスト入りしないんじゃないかなあ……などと推測してチョイス。

参加すると店頭でもらえるチラシとステッカー

参加すると、お礼のチラシとシールがもらえます。チラシの裏には、寄付者限定ページにアクセスできるQRコードがあります。プロジェクト進捗と、クリスマス後の子どもたちの声を掲載予定だとか。

 

これは個人的な思いなんですが……。

ぶっちゃけ、「喜びの声」なんて聞き出さなくていいよって思います。

こういうの、2~3割のお子さんに喜んでもらえたらいいんじゃないかな、ぐらいの気持ちなのです。人生なんて変わらなくていい。一瞬の喜びにしてもらえたら本当にラッキー。

あとは、プレゼントが用意できなくて気にしている親御さんがいるとしたら、その心のつかえが取れたらうれしい。

一方で、チャリティーを継続させ、広げるためには、親御さんやお子さんの喜びの声を届けたり、「本を贈るのってすてきだよね」とPRしたりするのは必要だとも理解しています。

 

なぜ参加したのか

わたしは思春期のある時期、家庭の事情で通学に必要なもの以外が何もない住環境に暮らしたことがあったんですね。貧困や困窮とはちょっと違う状況だったのですが……。

楽しみは、学校の図書室で借りてくる本と、兄が買って置いていってくれる「ファミ通」でした。「ファミ通」は本当になめるように読んでいました。大好きなゲームが思うようにできなくても、誌面を読んでいると、すごくわくわくしたんです。

今だとネットやスマホがあるから状況が違うのかもしれませんが……。

本や雑誌、まんが(「ブックサンタ」では除外品ですが)は、限られたスペースで、自分のペースで、電源や電波なしでも簡単に楽しめるもの。

そして、一瞬の楽しみが心を支えてくれることもある。

少しの時間だけでも楽しい気持ちになってもらえたらいいし、ずうずうしい望みだけれど、本や雑誌やまんがっていう楽しみが世界にはあるよって、ひとりでも知ってもらえたらいいなあと思っています。

 

寄付するときに気をつけていること

ここからはブックサンタの話と離れて、寄付について。

わたしは生活が困窮していない限り、年に1回ぐらい、なんらかの寄付をするようにしています。

寄付するときは、いちおう、団体のサイトには目を通します。また、比較的新しい団体の場合、代表者の名前で検索することもあります。

一方で、ネットの「叩き」みたいなものがあった場合は、あまり気にしません。そもそも寄付という行為自体に好意的ではない人の発言が多いからです。

強めの発言になっちゃいますが、「やらない善よりやる偽善」なんて言う必要ないでしょ、当たり前でしょ、と思っています。

「遠い国の飢えた子どもには思いを馳せるのに、自国には……」的なこともよく聞きますが、遠い国の何かに寄付している人って、自国内の団体にもたいてい寄付しています。

それと、わたしは絶対的貧困にある人、戦乱に巻き込まれた人たちへの寄付は「世界の底上げ」として意味があると考えています。

ただし、「このチャリティのやり方はどうなの」といった、各チャリティの方法への批判は考慮に入れます。

 

寄付で恐ろしいのは、お金が間違えた方向に使われること。お金isパワーなので、誰かが私腹を肥やすよりもっと恐ろしいことがありえるんですね。

 

たとえばわたしが関心を寄せている動物の保護関係だと……。

「どんどん動物を引き取って世話ができなくなった」とか(かといって主催者が豪遊しているわけでもない)、「寄付が集まりやすい疾患を抱えた子だけに医療費を過剰にかけているのでは」疑惑が出るとか、「支援品を処理しきれず、山積みのまま劣化している」とか、「去勢、避妊を一切やらない保護団体」って例があったりします。

動物保護団体については、寄付のみならずTwitterで何かRTするときも、「ネットに掲載されているのが、動物に寄った写真ばかりではないこと(部屋の環境もわかる画像が上がっていること)」「収支を報告していること」「遊んだり、くつろいだり、動物の楽しそうな様子も掲載していること」などをなるべく調べています。

 

わたしの寄付対象は、寄付控除がある団体(認定NPO)が基本です。

「ブックサンタ」は認定NPOではないので、控除はなし。今回は出版界の片隅で飯を食っている人間として、業界を盛り上げたいなあ、という気持ちもあったのでした。

 

というわけで、寄付への思いも書いていたらあっという間に4000文字近くに。

来年もなんらかの寄付ができるよう、がんばって生活していきたいと思います!