以前の日記に、「プロデュース会社を決めた」と書いた。
が、実際は、そこで申込書を書いたわけでも、契約書を交わしたわけでもない。
衣装合わせを繰り返し、衣装が決まり、
髪型を決め、こまごまとしたことを決めた後で、
「もう、うちで決定でよろしいですよね」と念押しをされ、
「もちろんです」と返事。
挙式1~2カ月前に、見積もりを出してもらい、
挙式数週間前までに支払いを済ませるという流れだった。
少なくとも、うちのプロデュース会社はそういう形を取っていた。
神社にしても、支払いは当日でOK(事前支払いも可能)。
日付が決まった時点で、申込書は一応、FAXか郵送で送るのだが、
人との信頼のうえで成り立っているなと思ったものだった。
そういうわけで、我々が選んだS社の場合、
「衣装を選びは、同社を選んでもらうための入り口」と
位置付けられているように見受けられた。
衣装合わせは、まず、何を着たいかを伝えるところからスタート。
神前挙式で和装をするなら、白無垢、色打掛、振袖、引き振袖あたりが選択肢になる。
専門知識ぶっ飛ばしてざっくり説明すると、
白無垢は、白いあの着物。
色打掛は、赤や深緑など白以外の色で、たいてい豪華な刺繍が入っている。
振袖は、成人式のときに着るあれ。未婚の女性の第一礼装なので、結婚式は、最後の着用チャンスとなる。
引き振袖は、振袖の裾をやや長くしたもの。
レトロな雰囲気になると、近年人気と聞く。
下記のサイトなどがわかりやすい。
そして、白無垢と色打掛けは、「一番外側」に羽織る着物が違うだけ。
簡単に「掛け替え」ができるため、たいていセットプランが用意されている。
私は、挙式で白無垢、写真撮影時は色打掛と半々ぐらいで着ることにした。
試着は、選択肢が多い色打掛から。
まずは、希望の色みを伝える。
私はめでたい赤系で、古典的な吉祥柄*1を希望。
衣装の写真はiPadにおさめられており、
いくつか指定して、持ってきてもらった。
洋服の上に簡単な襦袢ときものの衿だけを着け、
スタッフが、上から打掛を羽織らせてくれる。
衿から出てしまうので、試着のときは、タートルネックなどは避けたほうがいい。
回りながら前、後ろとチェックして、
夫(当時は婚約者)に写真を撮ってもらう。
鏡があるので、自分でも写真に収めた。
裾をひきずるので、回るときにはスタッフに一声かけなければいけない。
最初は、「鶴がバババーン!」とあしらわれたものは、
「めでたすぎる!」「目がつぶれる!」と思い、
花柄が可愛らしくていいと感じたのだが、
何度も試着を繰り返していると、
「鶴がバババーン!」という派手さがないと、
めでたさが足りないような気がして、満足できなくなってくる。
これは夫も私も同じで、心理の変化がおもしろかった。
結局、背中に鶴が舞う赤い打掛を選んだ。
打掛と並行して選ぶのが、白無垢だ。
白無垢にも、さまざまな「白」がある。
絹糸の色合いをいかした生成りっぽい色や、純白のもの。その中間のもの。
また、白地なので見えづらいが、地に刺繍がほどこされているものも多かった。
これを、生成りのほうが顔映りいいかな、
いや、純白のほうが新婦って感じがする、
と選んでいくわけだ。
「正直、写真では、あまり違いがわからないんです」と
スタッフから言われたが、それはその通りだった。
選ぶ間も、「これはどれを選んでも同じなのでは……」と感じていた。
挙式当日の着用時間は短く、撮影時は色打掛と掛け替えたりもするので、
今では「生成りと白の間ぐらいの白無垢を選んだはず。花の刺繍があった」
ぐらいの記憶しかない。
ただ、白い衣装を選んでいると「結婚式の準備をしている!」という
実感がわいてくるので、とても幸せな時間だった。
(夫も「白いの着てる」と何かうれしそうであった)
そういうわけで、白無垢試着に割く時間は少な目。
主に色打掛の試着で、3~4回は通ったように思う。
1回にかかる時間は、1~2時間ぐらいであろうか。
衣装のほかに決めなければならないのは、髪型だ。
和装の場合、文金高島田、文金高島田に角隠し、
文金高島田に綿帽子(花嫁がかぶる白い帽子)、洋髪、あたりが選択肢になるかと思う。
文金高島田の場合、さらに地毛、かつら、半自毛などの選択肢があるようだ。
髪型のことは、住吉大社のこのページがとてもくわしい。
「尾長」ははじめて見た……。
我々の場合、
「『あんみつ姫』みたいなあの髪型(文金高島田)は、コントみたいで笑っちゃいそう」
と夫が言うのと、
私自身に強い希望がなかったため、
洋髪を選んだ。
挙式のときは、洋髪の上に綿帽子を着用という選択をした。
洋髪で困ったのが、髪を伸ばさなければいけないこと。
(これは文金高島田でも同じかもしれないが)
当時、私はベリーショートに近かった。
「なるべく伸ばしてほしい。とくに、襟足は切らないで」と言われた。
襟足が伸びたショートほど、みっともないものはないが、ここはぐっと我慢。
襟足をなでつけてタイトに見せたりしてなんとかしのいだが、
そのまま4~5カ月過ごすのはツラかった。
冒頭に述べた通り、我々が選んだS社にあっては、
衣装を決めるということは、プロデュース会社を本決めするということ。
ここまで決まると、いよいよ結婚式も現実味を帯びてきた。
*1:鶴、松竹梅など縁起のよい意匠をあしらったもの