知名度のわりに、案外、情報が少なかったニューカレドニア旅行。
そこで、事前準備で戸惑ったWi-Fi事情について解説してみる。
ネット大好き、旅行中もスマホで調べものしちゃいます! な現代っ子にとって、
ニューカレドニア旅行で戸惑うのは、Wi-Fi環境ではないだろうか。
以下、SIMフリースマホを使いこなすリテラシーがない前提で話を進める。
日本からのレンタルは一社のみ!
まず、2019年6月現在、日本からニューカレドニアへ借りていけるポケットWi-Fiは
グローバルWiFiのみ。
グローバルWiFiのプランは限られていて、
3Gまたは4Gで「300MB/日」のみ。
無制限や大容量ではない。
渡航日数が計5日なこともあり、
故障時の補償を安価な「ライトプラン」にしても、9000円を超える*1。
わたしが出した見積もりでは、3Gも4Gも変わらなかった。
この容量に9000円超を払うのは抵抗がある。
「グループ旅行の場合、数人で割れば安い!」と書いているサイトもあったが、
数人で使ったら300MB/日はますますもたなくなるのではないだろうか。
現地のWi-Fi環境の脆弱さ
そして、ホテルのWi-Fi環境がそれほど整っていない。
『地球の歩き方』(’17-’18年版)には、
「最近では全室Wi-Fi対応のホテルも増えてきている。
なかには無料で利用できるホテルもある(略)」と書かれている。
これは、Wi-Fi環境が整った国に対しては用いられない表現だ。
わたしたちが宿泊したヌバタホテルは、「1日250MBの無料Wi-Fi付き」。
口コミには、「250MBなんてすぐに使ってしまって、有料で追加購入した」と書いている人もいる。
ガイドブックには、街中でもあまりWi-Fiは期待できないとある。
そして、これは事実だった。
おススメは現地でのレンタル(日本語可)
そんなときに目に入ったのが、
現地の日本人経営セレクトショップAQUAのポケットWi-Fiレンタル*2。
回線は4Gで容量は無制限。レンタル料金は 1日1,190cfpとある。
cfpは現地通貨の単位で、だいたい1cfpが1円前後。
日本から借りていくグローバルWi-Fiと違い、現地で借りるため、レンタル日数は3日。
1,190×3=3,570円*3
グローバルWiFiの4割程度の価格だ。
そのうえ容量無制限。最高だ。
気になる故障時などの補償をメールで問い合わせたところ
(問い合わせメールはもちろん日本語でOK)、
貸出時、現金2万cfpを預けるか、またはクレジットカード情報一式を書面に書き残すことがデポジットになるとのこと。
客の過失や故意で故障した場合は、その2万cfpで弁済とのことだった。
セキュリティコード含むクレジットカード情報を書面で書き残すのは、どうしても抵抗があった。
店の人は信頼できると感じたが、窃盗などの不測の事態が怖かった。
ただ、2万cfpの両替手数料・再両替手数料が発生してもグローバルWiFiよりも
AQUAで借りるほうが安いので、デポジットは現金2万フランを選択*4。
今のところ、両替・再両替手数料や為替ロスは3000~4000円を見込んでいる。
クレジットカード情報を使ってのデポジットで構わなければ、料金は本当に安く抑えられる。
日本から問い合わせたところ、AQUAの方はメールで丁寧に対応してくれ、さらに契約書も事前に送ってくれた。
出発前によく考えることができ、大変助かった。
旅行客のワガママとわかっているのだが、唯一の欠点といえば、お店は10時からなので、初日の朝イチからは使えないことだ。
一方で、お店は19時まで開いている。
ニューカレドニアではこれは遅い閉店時間であり、その点は大変ありがたい。
立地はたいていの旅行客が滞在するアンスバタ地区のど真ん中、ヒルトンのショッピングモール内なのでわかりやすくて大変便利。
AQUAが扱うポケットWi-Fiは「NC Pocket WIFI」のもので、
取り扱いを始めたのは2019年5月から。
「NC Pocket WIFI」のサービス自体が始まったばかりなのかもしれない。
そして、現地では唯一のレンタルポケットWi-Fi会社なのではないだろうか。
この「NC Pocket WIFI」、空港のターンテーブルにもデカデカ広告を出しており、
空港にもレンタルカウンターがある。
帰路に気づいて、「次の旅行のために教えてほしい」とカタコト英語で話したところ、
料金表を見せてくれた。
なんとAQUAのほうが安い。
AQUAでは3日以上借りるとレンタル料金が1,090cfp/日に値下げされるのだが、
空港では5日目以上借りないと1,090cfp/日にはならない。
補償方法までは聞かなかったが、AQUAは「(Wi-Fiレンタルは)代理でやっている」と話していたので、方法は変わらない可能性がある。
また、ニューカレドニア旅行は、JTBだろうとHISだろうと、
現地の仕切りは全部、サウス・パシフィック・ツアーズという旅行会社が行っている。
何らかのツアーで申し込んだ日本人客は、
空港に着くとこの会社のカウンターに立ち寄るのだが、
そこでポケットWi-Fiらしきものを受け取っている人を見かけたので、
ひょっとしたら扱いがあるのかもしれない。
ただ、公式サイトには記載がない。
気になる人は問い合わせをしてみよう。
レンタルポケットWi-Fiの使い心地は?
肝心のWi-Fiの使い心地はよかった。
画像などの表示が遅いというより、「引っかかる」感じで、
少し遅れて表示されることがあったが、ストレスになるほどではない。
Googleマップの表示は快適だった。
レンタル機器が真新しいせいか、
8時間から10時間電源を入れっぱなしでも、電池がもった。
日中は地図を表示することが多く、少し仕事も持ち込んだ身としては、
容量無制限は安心感がある。
街中では、Wi-Fiを飛ばしている店は限られるので、
ポケットWi-Fiは頼もしい存在だった。
レンタルするなら、ぜひ現地で。
スマホを見ないニューカレドニアの人々
そして、現地で思ったことは――。
スマートフォンを見ている人が少ないこと。
これはスマホが普及していないのではなく、
ネットに対する興味が低いんじゃないかと思った。
あるいはスマホが普及していないのだとしたら、それは需要の低さからではないか。
人々は基本、おしゃべりをしているか、ひとりでいるときはボーッとしている。
ボーッとしている人は、何を使って再生しているかは不明だが、スピーカーで音楽を流していることが多かった。
首都・ヌメアでは、1軒だけネットカフェを見かけたが、デスクにパソコンを並べた、古いタイプの店だった。
ただ、AQUAにしても、現地のレストランにしても、自前のサイトを持っていて、メール対応も迅速だ。
観光に関わる界隈では、インターネットは広く使われている。
グローバルWiFiに無制限プランがないところを見ると、
現地の回線状況はあまりよくなかったのかもしれない。
ただ、今は容量無制限の「NC Pocket WIFI」がある。
旅行客のWi-Fi環境に関しては、数年たたないうちに、
この記事が役に立たないくらい、変わっていくかもしれない。
「日本でレンタルすると、選択肢が1社だけ!?」
「容量が300MB/日!?」
と驚くことが多かった2019年6月現在の、ニューカレドニアのポケットWi-Fi事情。
何かのお役に立てれば幸いです。
*1:たとえば台湾の場合、5日間、4G、1.1GB/日で8000円ちょっと。ただ、ニューカレドニアの例も台湾も例も、料金は特定サイトからの申し込み割引20%などが引かれた料金なので、時期や申し込むサイトによって変わってくる
*2:このAQUAに行きついたのは、前回のエントリーに書いたように、気候について調べまくっていたとき。店主ご夫妻はニューカレドニア在住20年超の日本人であり、サイト内で現地の気候からマナー、両替のレートまで、懇切丁寧なQ&Aページを設けている。それをチェックするうち、「ポケットWi-Fi取り扱い開始」のニュースが目に入った
*3:後述の理由により、実際は1090×3となった
*4:Wi-Fiは最終日ギリギリまで借りるため、2万フランの現金を現地で有益に使い切ることはできない。そのため、最初から再両替するつもりで2万フランを両替。到着時、現地空港のATMでクレジットカードキャッシングで現地通貨を下ろし、出発時、現地空港の両替窓口で日本円に再両替した