梅雨でくさくさするので、
今さらだがゴールデンウィークの話を。
ゴールデンウィーク、我が家は長野・野沢温泉へ。
黄金週間は価格も黄金が常ではあるけれど、
なんと価格がふだんと変わらない宿を夫が見つけてくれた。
1泊2食付き8000円台。*1
これは行くしかない。
7時台の新幹線に乗り込み、長野・北陸新幹線で東京駅から2時間弱。
飯山駅で降りたら、野沢温泉への直通バス(600円)で約30分。
11時前には我々は、野沢温泉郷に到着していたのであった。
まだ桜が咲いていた。用水が至るところで勢いよく流れ、その音が風情を増していた。
野沢温泉は、徒歩で回れる範囲に、13の外湯がある。
外湯の紹介 : 北信州野沢温泉 観光協会オフィシャルウェブサイト
外湯の多くは源泉が違い、泉質や水色が異なることも多い。
外湯はシンプルな小屋型で、脱衣場と浴槽に隔たりがないことがほとんど。
浴室に水道と桶はあるが、基本的には体を洗うような雰囲気ではない。
外湯の管理は、村の住民の方がされている。
我々観光客は、それを使わせていただくというわけだ。
外湯には寄進箱が置かれているが、
宿のスタッフさんいわく、宿泊客は気にしなくてよいとのこと。
浴衣で街をぶらぶら歩き、
温泉にドボンと入り、
ジュースを飲んでひと休み。
温泉饅頭、ソフトクリームなんかを食べて、
また次の外湯でドボン。
温泉のTDLとでもいうべき場所なのだ。
まず、宿に荷物を置かせてもらい、街をふらつくことにした。
チェックイン前なので、残念ながら浴衣というわけにはいかない。
宿のもよりの「熊の手洗湯」にドボン。
ここは透明の湯だ。
あつ湯とぬる湯に分かれているが、ぬる湯でもけっこう熱い。
「熊の手洗い湯」外観は撮影し忘れていたので、
かわりに近所の宿にあった、熊さんを。
お尻。
熱めのお湯でさっぱりポン。
腹が減ったので蕎麦屋へ入る。
ふらりと入ったのは、「ぼくち蕎麦かごや」。
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ぼくち蕎麦とは、山菜の一種「オヤマボク」の葉をつなぎに使った蕎麦のこと。
特徴は、コシが強さだそうだ。
長野の一部地域の名産なのだろうか。
以前、湯田中温泉でも食べたことがある。
食事メニューはざるそばのみ。
潔い。
価格は800円程度だったか。
店の子どもであろう、小学校低学年ぐらいの男の子と
幼稚園児くらいのその妹が注文を取りに来てかわいかった。
ツルツルしてコシがあって、噛むほどそばの実の風味が広がっておいしい!
客席の隅っこに、お惣菜と漬物が置いてあり、自由に食べることができる。
写真の鍋には、こんにゃくと大根の煮物が入っていた。これまた美味しかった。
お座敷でくつろげるのも、湯上りでぐったりしているときにはうれしい。
ふたたび街歩きに戻る。
温泉街には、「麻釜(おがま)」という場所がある。
たいへん高温な源泉がわきだしており、
地元の人は、ここでの野沢菜をゆでたり、温泉卵を作ったりする。
野沢菜をゆでたりするのは、だいたい朝らしい。
次の日の朝、通りかかったらゆでている方がいた。
さあ、どんどん外湯へ入っていきましょう。
とはいえ、ここは前を通っただけ。
「麻釜の湯」は、とても熱い湯だとのこと。
野沢温泉の湯はどこもかなり熱め。
そこで「熱め」と言われるとは、どんな熱さなのか。
温泉街の中心にある大湯。
風情ある外観。
内側も天井高くてすてきだった。
ここはとくに湯温が高かった。
ぬる湯とあつ湯にわかれており、
ぬる湯で慣らしたので大丈夫だろうとあつ湯に足を入れたら、
ヒリヒリしたのですぐに水で冷やした。
あれはヤバい。
外湯めぐりには「集印帳」があり、
全部「印」を集めると、何かがもられるらしい。
そのため、各外湯にはこういった「印」が設置されている。
紙を上に置き、すりこぎのようなものでゴリゴリやることで絵を写す。
外湯の外には、たいてい、
温泉卵を作ることができるボックスが設置されている。
「20分」など、ゆで時間の目安が書いてある。
我々はやらなかったが、大人数で行ったら、
お土産物屋で卵を買ってやるのも一興だと思う。
空模様が怪しくなると同時に、気温が下がる。
そのうちポツポツ来たので、カフェ「サンアントン」に入る。
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ここは、「ハウスサンアントン」という
おしゃれな宿が経営しているジェラート&ジャムのお店。
最初はコーヒーだけと思っていた。
が、ジェラートの試食をすすめられて食べたら、
……んんんんまーい! となったので、ジェラートも頼む。
正直、「温泉街によくある、オシャレなジャム屋でしょう? お土産用のやつ」とナメていた。
先入観でモノを見てはいけない。
ここはぜひ行ってほしい。
「菜の花」と「ストロベリー」のハーフ&ハーフ。
季節のフレーバー「菜の花」がさわやかでとくに気に入った。
あまりにも気に入ったので、次の日、温泉街をあとにする直前も行った。
こちらは「菜の花」と「ゴールデンピーチ」。
写真は撮影していないが、この後、松葉の湯にも入った。
ここは湯の色が水色がかっていて、湯温も穏やか。
そのため湯船もひとつ。
ここもいい場所だった。
そろそろチェックイン時間なので、宿へ向かう。
坂を上ったり下ったり、レトロな外観の外湯があったり、
路地がくねくねしていたり。
温泉街の探索が楽しいのも、野沢温泉の魅力だと思った。
ただ、熱い湯が苦手な人には、あまりおすすめできないかもしれない。
かくいうわたしもそれほど熱い湯が得意、というわけでもないけれど。
お宿にチェックイン。
安さを取っているので、お部屋はコンパクト。
トイレと洗面所は共同。
清潔なので問題ない。
内湯は源泉かけ流しで気持ちよい。
浴場の外に、ソファに腰掛け、
ハンドルを回すタイプの古いマッサージ機があり、自由に使えた。
家電量販店で試す、最新機より気持ちよくてびっくり。
肩甲骨のあたりを、ジャストにゴリゴリしてくれる。
我々が求めているのは、案外シンプルなのでは? と思わせられる。
シンプルなほうがよい……といえば、宿の夕食。
悪くはないけれど、刺身もあれば肉もある、典型的な旅館料理。
宿の外にも食事処はけっこうあるので、
次にこの予算で野沢温泉に宿泊するなら素泊まりしたい。
自然豊かな地方のご家庭にお邪魔すると、
「いつも家で食べているものなんですけど」と
おっしゃって出してくださるものが、
めっぽう美味しいことがある。
もちろん、謙遜もあるだろうけれど。
地のものを使った家庭料理が、
外部の人間にとってはいちばんのご馳走ではと思いつつ、
温泉効果でこの日はぐっすりと眠りに落ちたのだった。
2日目に続く。