結論から申し上げると、ワークチェアはイトーキの「Act(アクト)チェア」(以下、「アクト」)を買った。
- アームレスト(肘掛け)の幅、広すぎ問題
- 脇道。「アーロンチェア」はやっぱスゴイ
- 「アクト」vs「シルフィー」で迷う
- どこで買うか
- いざ、開封の儀……が、意外と大変
- 使用してみてどうですか?
- 振り返り&まとめ
- おまけ
アームレスト(肘掛け)の幅、広すぎ問題
前回の記事はこちら。
最初に「IDC OTSUKA 新宿ショールーム」で椅子に座りまくるなかで気づいたこと。
「わたしの肩幅で、肘を置いてタイピングできる椅子ってほとんどなくない?」。
ワークチェアへの希望として、「タイピング中はアームレストに肘を置き、腕を支えたい」があった。
参考までに、ゲーミング家具メーカーの「正しい椅子の座り方」を貼り付けて置く。
座ってみると、ほとんどの椅子が、わたしにとっては左右のアームレストの幅が広すぎる。分離タイプのキーボードでも使わないと、自然なタイピングができそうにない。
「IDC OTSUKA 新宿ショールーム」で唯一、アームレストの幅が実用的だった椅子があった。調べてみたらイトーキの「cassico」。「女性のをカラダを考えて作った」を謳うワークチェアだ。
脇道。「アーロンチェア」はやっぱスゴイ
同ショールームでほかに気になったのは、かの有名な「アーロンチェア」。ひと座りしただけで、「あっ、なんだかお尻と腰の包まれ具合が違う……!」と感じた。が、アームレストの幅は実用的ではなかった。
ただ、「アーロンチェア」は人気で座っている人が多いこともあり、自分が座ったサイズの確認が難しかった。アーロンチェアは、3サイズ展開なのだ。いちばん小さなサイズを確認して座ってみないとわからないし、同じハーマンミラーの「セイルチェア」には、アームレストがかなり動く商品があるとのこと。しかし……推測に過ぎないが、サイトで見た限りは、おそらく体形に合わないと思われる。
それでも、真っ先に「アーロンチェア」に座ったことは、「いい椅子ってこんなに座り心地が違うんだ!」と希望を抱かせてくれたのだった。
「アクト」vs「シルフィー」で迷う
その後、「女性におすすめの椅子」「小柄な人におすすめの椅子」を調べていくうち、国内メーカーに絞ったほうがいいんじゃないかなと思うようになった。そこで、イトーキとオカムラのショールームに予約を入れた。
もう一度座ってみた「cassico」は、たしかにつくりはちいさめ。なのだけど、座面の座り心地がピンと来なかった。マシュマロもちもち的な質感はあるのだが、「お尻と腰を包み込み、支えられている感じ」がない。
他に気になった椅子がひとつあり、それが「アクト」だった。ひと座りしただけで、「あ、これこれ、ずっと座っていたい」と思えた。
スタッフさんに「小柄な人が肘を自然に置ける、おすすめの椅子はあるか」とあらためて相談したところ、名前があがったのが「cassico」と先ほどの「アクト」だった。「アクト」の特徴は、肘置きが幅広く、位置を細かく調節できること。この可動域なら、わたしでも自然なキーボード操作ができる。加えて、座面の座り心地が気に入った。
オカムラで候補になったのは、「シルフィー」だった。肘置きの可動域と幅は「アクト」ほどではないため心もとないが、いちおう、肘を置いての作業はできる。
「シルフィー」はかなり細かく姿勢を調整でき、さながらコクピット。特徴は、前傾チルトと呼ばれる前のめり姿勢もできること。集中していると、前のめりになっているのを感じることがあるので、この姿勢を支えてもらえるのは魅力だった。
「シルフィー」は、とてもいい椅子だと思った。
しかし、わたしは基本、「さあやるぞ」と気持ちを切り替えてビシバシ仕事をするタイプではない。どちらかというと、リラックスして仕事にのぞみ、そのなかで集中状態に持っていきたいほうなのだ。コクピットを思わせる「シルフィー」は、性格に合わないのではないかと思った。それと、やはり肘が「ギリギリ置けるのみ」というのも気になった。
座ってみないとわからなんな~と思ったのは、オカムラで名品と名高く高価な「バロン」や「コンテッサ」はまったくピンと来なかったこと。肘置き関係なく、座面の座り心地が合わなかった。「高価なもの=誰にとってもいいもの」ではないことを実感した。
どこで買うか
というわけで、「アクト」に決め、イトーキの公式通販で購入した。イトーキには機能はオフィス用そのまま、バージョンやオプションを絞って個人購入向けに価格を下げた製品がある。「アクト」にもそれがあったため、69,900円だった。こういった椅子にしては安価。納期はたしか注文してから3~5日。
この「廉価版」の存在は、ショールームのスタッフさんが教えてくれた。あのスタッフさんのアドバイスがなければ存在を知らなかったし、存在を知っても、「こんなに価格が違って同じ機能?」と自信が持てなかったと思う。オフィス用はたしか10万ぐらいするので。
購入先としてオフィスバスターズも考えたのだが、「アクト」はワークチェアにしては安価で(もちろんモノとしては高価だ)、中古価格とのギャップが小さいこと。はじめてのワークチェアなので、失敗するのが怖かったことから、新品に。
2021年内に支払い&納品希望だったので、kaggではなく、イトーキ公式ショップを使った。kaggについては、前エントリーでふれている。
https://hei-bon.hatenablog.com/entry/2022/02/17/073000
いざ、開封の儀……が、意外と大変
実際に届いてみると……。ワークチェアを買った人の10割が口にするように、デカい。玄関先で梱包を解くのに骨を折った。ショップによっては開梱し、ダンボールを持ち帰るサービスもあるようだが、イトーキの公式ショップにはなかった。これからワークチェアを購入する人は、もしそういったサービスがあるなら、申し込むことを強くおすすめする。
開梱した後も、うちの築古賃貸の廊下を通るか心配だったが、幸い部屋まで運び入れることができた。
使用してみてどうですか?
約2か月使ってみての感想は、やはり座り心地はばつぐんによい。
ネットにあるワークチェアレビューにありがちで申し訳ないのだが、今までは1万円以下のワークチェアを使い、しかも7年ほど使って座面が石のようになっていたため、比較対象がない。「いい椅子買ったらやっぱりよかった」ということになってしまう。
が、肘を置けるのはどう考えても楽だ。同時期に買ったメカニカルキーボードとあわせ、打鍵の負担は大幅に減った。
何より、お尻から腰を支えてくれる感覚が段違い。「あーずっと座っていたい」と思える。たぶん、背もたれのカーブが体に沿うように作られているのが大きいのだと思う。
「腰の寿命がのびた!」というより、しっくりきすぎて、「長年、この椅子を使っていたんじゃなかったっけ?」と思える感じ。「アクト」にしてよかった!
それにしても、ネットで検索すると、標準的な体形の男性もこの「アクト」の肘置きをほめている。男性も小柄な女性も満足させる。どれだけ可動範囲が広くて有能なのか、この4Dリンクアーム(正式名称)は!
振り返り&まとめ
思えば、独立して5~6年は座卓で正座して仕事をしていた。副業ではなくフルタイムなのに、座卓。よくやっていたと思う。
机を買ってからも、デザイン重視で選んだ古物の椅子を使っていた。スプリング入りで、座面がボヨリボヨリと上下するシロモノだった。やがてその椅子からスプリングが飛び出し、布を当てて使い、古道具屋でも修理ができないと言われ、限界がきて、安価なワークチェアを購入。「やっぱりまともな椅子はいいわ~」とか言ってる間に7年が経った。
そして、やっとこさ「高価なワークチェア」に至る。これからはもうすこし、環境に気を配っていきたい。今年中にデュアルディスプレイを実現したいものだ。
おまけ
「アクト」は、猫様でもくるっくる回せるもよう。このツイートを見つけてきたイトーキのSNS担当者はすごい。
#Actチェア 、猫様でも簡単に回せます❗ https://t.co/TlA7ZiIM24
— 【公式】イトーキオンラインショップ ★ITOKI HOME誕生 (@itoki_shop) 2022年1月12日
トップの画像は《フリー素材.com https://free-materials.com/》より「かまってちゃん05」をお借りしました