平凡

平凡

フリーランスはクレジットカードの審査に通るのか?

クレジットカード審査。

フリーランスにとっては、ちょっとした恐怖だ。

 

「平凡ちゃんはさー、いつまでそのクレジットカード使うわけー」

と、夫がじりじりと迫る。

わたしがうっかり「今使っているクレジットカード、年会費がかかるんだ」と口を滑らせて以来、定期的にこれである。

 

「だって、新しいクレジットカード、審査通んないかもしれないじゃん。

フリーランスだから……」

楽天カードとか、審査ゆるいらしいよ。

やってみなよ。

今どき、年間1500円も会費払ってクレカ持ってる人なんていないよ」

「あっ、年会費は、1250円プラス税金です」

「変わらないよ! 1250円なんて誰もくれないよ?

収入は変わらなくても、無駄な出費を減らすことはできるんだよ?

そのクレカ持っていて、何かいいことあるの?」

わたしが持っているのは、新社会人になりたてのころに作った、VISAアミティエカード。

エントリーモデルとでもいうべきカードで、ステータスもへったくれもあったもんじゃない。

「だって、審査通らなかったら嫌だもの」

「わかんないなあ。やってみたらいいじゃん」

「イヤなものはイヤなの!」

と、わたしがジタバタして、この話は終わる。

 

「やってみたらいい」。

たしかにその通りだ。

合理的である。

しかし、もし、審査に落ちたらどうするのだ。

 何か、自分が否定されたような気持ちになるじゃないか。

フリーランスが浮き草稼業なのはたしかなことで、

クレジットカードの審査に今さら落ちたところで、

それほど傷つくことはないのかもしれない。

クレジットカードの審査なんて、たかが世間から見た経済的信用度ではないか!

――いや、書いていて改めて思った。

「世間から見た経済的信用度」、とっても大事。 

それがないと外から言われたら、ちょっと立ち直れないかもしれない。

数日、納期に差し支えるレベルでウジウジする自分が目に浮かぶ。

 

この気持ちは、なかなか夫に理解してもらえなかった。

が、ある日、夫が「平凡ちゃんの気持ちがわかったよ」と真面目な顔で言った。

なんでも、漫画家の羽海野チカ先生が、「クレジットカードの審査に落ちるのが怖い」とつぶやいていたらしい*1

ハチミツとクローバー」「3月のライオン」と、大ヒット作を放っている作家が?

2作品ともアニメ化、実写化されているのに?

知名度だってかなり高い先生が?

「あんな売れっ子の先生でも怖いんだね……。

そりゃ、平凡ちゃんは怖いよね……」

ゴメンね、と夫は謝り、クレジットカードの件でじりじり迫ることはなくなった。

羽海野先生のつぶやきは、一介の零細フリーランスの家庭に平和をもたらしたのだった。

 

 

しかし、夫に繰り返し言われているうち、わたし自身、年会費を払っているのがバカらしいと感じるようになってしまった。

夫が手持ちのクレジットカードを上手く使って、ポイントを貯めているのもうらやましい。

いろいろなサイトで調べると、いまやクレジットカードは、種類を問わなければ誰でも作れるという。

しかも、この春、平凡家では、スマートフォンやインターネットをひとつの通信会社に一本化した。

クレジットカードも組み合わせて、ポイントを貯めたり、何か楽しく節約をしたい!

 

そのような機運が高まり、この前のエントリーで書いたように「ビックカメラSuicaカード」を作ったのであった。

ネットでの申し込みはとても簡単で、年収は自己申告。

確定申告の書類で収入証明することもなく、電話でのごく簡単な本人確認のみ。

審査に通過したらしく、申し込んで2週間もしないうちにカードが届いた。

あまりのあっさりぶりに、拍子抜けしたぐらいだ。

 

昔は、「フリーランスになるなら、会社員のうちにクレカを作っておけ」とよく聞いた

しかし、今どきは、カードのステータスを気にせず、

クレジットヒストリーに問題を抱えていなければ、審査に通るようだ。

今どきわたしのように臆病な人はいないかもしれないけれど、

フリーランスの皆さん頑張りましょうというわけで、このエントリーを書いたのだった。

 

この前書いた記事。
hei-bon.hatenablog.com

 

 

*1:当該ツイートは検索しても見つけられなかった。が、「皆さん、カードの件を聞いてくれてありがとう」というツイートはあるので、当時、そういった内容のつぶやきをしていらしたのはたしかだと思う。また、前後のツイートを見ると、マイルを貯めるためにJALカードを希望されていたもよう。JALカードは審査が厳しいのかもしれない