平凡

平凡

黄金の休日、黄金の長野・野沢温泉 その1

梅雨でくさくさするので、
今さらだがゴールデンウィークの話を。

ゴールデンウィーク、我が家は長野・野沢温泉へ。
黄金週間は価格も黄金が常ではあるけれど、
なんと価格がふだんと変わらない宿を夫が見つけてくれた。
1泊2食付き8000円台。*1
これは行くしかない。

7時台の新幹線に乗り込み、長野・北陸新幹線で東京駅から2時間弱。
飯山駅で降りたら、野沢温泉への直通バス(600円)で約30分。
11時前には我々は、野沢温泉郷に到着していたのであった。


f:id:hei_bon:20170613161636j:plain
まだ桜が咲いていた。用水が至るところで勢いよく流れ、その音が風情を増していた。


野沢温泉は、徒歩で回れる範囲に、13の外湯がある。
外湯の紹介 : 北信州野沢温泉 観光協会オフィシャルウェブサイト


外湯の多くは源泉が違い、泉質や水色が異なることも多い。
外湯はシンプルな小屋型で、脱衣場と浴槽に隔たりがないことがほとんど。
浴室に水道と桶はあるが、基本的には体を洗うような雰囲気ではない。
外湯の管理は、村の住民の方がされている。
我々観光客は、それを使わせていただくというわけだ。
外湯には寄進箱が置かれているが、
宿のスタッフさんいわく、宿泊客は気にしなくてよいとのこと。

浴衣で街をぶらぶら歩き、
温泉にドボンと入り、
ジュースを飲んでひと休み。
温泉饅頭、ソフトクリームなんかを食べて、
また次の外湯でドボン。
温泉のTDLとでもいうべき場所なのだ。

まず、宿に荷物を置かせてもらい、街をふらつくことにした。
チェックイン前なので、残念ながら浴衣というわけにはいかない。
宿のもよりの「熊の手洗湯」にドボン。
ここは透明の湯だ。
あつ湯とぬる湯に分かれているが、ぬる湯でもけっこう熱い。
「熊の手洗い湯」外観は撮影し忘れていたので、
かわりに近所の宿にあった、熊さんを。
f:id:hei_bon:20170613161509j:plain
f:id:hei_bon:20170613161551j:plain
お尻。


熱めのお湯でさっぱりポン。

腹が減ったので蕎麦屋へ入る。
ふらりと入ったのは、「ぼくち蕎麦かごや」。
[食べログ]アクセスが制限されています


ぼくち蕎麦とは、山菜の一種「オヤマボク」の葉をつなぎに使った蕎麦のこと。
特徴は、コシが強さだそうだ。
長野の一部地域の名産なのだろうか。
以前、湯田中温泉でも食べたことがある。

食事メニューはざるそばのみ。
潔い。
価格は800円程度だったか。
店の子どもであろう、小学校低学年ぐらいの男の子と
幼稚園児くらいのその妹が注文を取りに来てかわいかった。

f:id:hei_bon:20170613161832j:plain
ツルツルしてコシがあって、噛むほどそばの実の風味が広がっておいしい!

f:id:hei_bon:20170613162608j:plain
客席の隅っこに、お惣菜と漬物が置いてあり、自由に食べることができる。
写真の鍋には、こんにゃくと大根の煮物が入っていた。これまた美味しかった。
お座敷でくつろげるのも、湯上りでぐったりしているときにはうれしい。


ふたたび街歩きに戻る。
温泉街には、「麻釜(おがま)」という場所がある。
たいへん高温な源泉がわきだしており、
地元の人は、ここでの野沢菜をゆでたり、温泉卵を作ったりする。

f:id:hei_bon:20170613163402j:plain
野沢菜をゆでたりするのは、だいたい朝らしい。
次の日の朝、通りかかったらゆでている方がいた。


さあ、どんどん外湯へ入っていきましょう。

とはいえ、ここは前を通っただけ。
「麻釜の湯」は、とても熱い湯だとのこと。
野沢温泉の湯はどこもかなり熱め。
そこで「熱め」と言われるとは、どんな熱さなのか。
f:id:hei_bon:20170613163814j:plain


温泉街の中心にある大湯。
風情ある外観。
f:id:hei_bon:20170613164050j:plain


内側も天井高くてすてきだった。
ここはとくに湯温が高かった。
ぬる湯とあつ湯にわかれており、
ぬる湯で慣らしたので大丈夫だろうとあつ湯に足を入れたら、
ヒリヒリしたのですぐに水で冷やした。
あれはヤバい。


外湯めぐりには「集印帳」があり、
全部「印」を集めると、何かがもられるらしい。
そのため、各外湯にはこういった「印」が設置されている。
紙を上に置き、すりこぎのようなものでゴリゴリやることで絵を写す。
f:id:hei_bon:20170613170055j:plain


外湯の外には、たいてい、
温泉卵を作ることができるボックスが設置されている。
「20分」など、ゆで時間の目安が書いてある。
我々はやらなかったが、大人数で行ったら、
お土産物屋で卵を買ってやるのも一興だと思う。


空模様が怪しくなると同時に、気温が下がる。
そのうちポツポツ来たので、カフェ「サンアントン」に入る。
[食べログ]アクセスが制限されています

ここは、「ハウスサンアントン」という
おしゃれな宿が経営しているジェラート&ジャムのお店。
最初はコーヒーだけと思っていた。
が、ジェラートの試食をすすめられて食べたら、
……んんんんまーい! となったので、ジェラートも頼む。
正直、「温泉街によくある、オシャレなジャム屋でしょう? お土産用のやつ」とナメていた。
先入観でモノを見てはいけない。
ここはぜひ行ってほしい。


「菜の花」と「ストロベリー」のハーフ&ハーフ。
季節のフレーバー「菜の花」がさわやかでとくに気に入った。
f:id:hei_bon:20170613165322j:plain


あまりにも気に入ったので、次の日、温泉街をあとにする直前も行った。
こちらは「菜の花」と「ゴールデンピーチ」。
f:id:hei_bon:20170613165529j:plain



写真は撮影していないが、この後、松葉の湯にも入った。
ここは湯の色が水色がかっていて、湯温も穏やか。
そのため湯船もひとつ。
ここもいい場所だった。


そろそろチェックイン時間なので、宿へ向かう。
坂を上ったり下ったり、レトロな外観の外湯があったり、
路地がくねくねしていたり。
温泉街の探索が楽しいのも、野沢温泉の魅力だと思った。
f:id:hei_bon:20170613170548j:plain
ただ、熱い湯が苦手な人には、あまりおすすめできないかもしれない。
かくいうわたしもそれほど熱い湯が得意、というわけでもないけれど。


お宿にチェックイン。
安さを取っているので、お部屋はコンパクト。
トイレと洗面所は共同。
清潔なので問題ない。
内湯は源泉かけ流しで気持ちよい。
浴場の外に、ソファに腰掛け、
ハンドルを回すタイプの古いマッサージ機があり、自由に使えた。
家電量販店で試す、最新機より気持ちよくてびっくり。
肩甲骨のあたりを、ジャストにゴリゴリしてくれる。
我々が求めているのは、案外シンプルなのでは? と思わせられる。

シンプルなほうがよい……といえば、宿の夕食。
悪くはないけれど、刺身もあれば肉もある、典型的な旅館料理。
宿の外にも食事処はけっこうあるので、
次にこの予算で野沢温泉に宿泊するなら素泊まりしたい。
自然豊かな地方のご家庭にお邪魔すると、
「いつも家で食べているものなんですけど」と
おっしゃって出してくださるものが、
めっぽう美味しいことがある。
もちろん、謙遜もあるだろうけれど。
地のものを使った家庭料理が、
外部の人間にとってはいちばんのご馳走ではと思いつつ、
温泉効果でこの日はぐっすりと眠りに落ちたのだった。

2日目に続く。

*1:夫が聞き及んできた話によると、スキーシーズンがメインの宿は、そこが稼ぎどきなので、ゴールデンウィークに値段が変わらないこともたびたびあると。しかし、以前、雪が残る奥日光に旅行したときはガッツリゴールデンウィーク価格だった。真偽は不明