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平凡

平凡

「家賃と同じぐらいの支払いでマンションが買えますよ」と人は言うけれど

近所で、中古マンションの出物があったという。

予定のない土日、じゃあ、ちょっと見に行ってみようかとなった。

 

我が家は基本、賃貸派だ。

ふたりとも、「ローンがあるうちは自分のものになったとは思えない」タイプなこと、

ローン(と修繕積立費、管理費など)の支払いを考えると、

購入がすなわち、老後リスクの払拭とはならないと感じること。

何より、我々は、ローンを背負うには、年齢を重ね過ぎてしまっている。

 

しかし、わたしたちの心を「家(マンション)を買ってもいいかも」と揺らすものがある。

猫だ。

猫を飼いたいのだ。

賃貸にも、ペット可物件はもちろん存在するが、選択肢がぐっと少なくなってしまう。

都会のペット可物件は、以下の2パターンに分かれる。

  • 割高できれい
  • 条件が悪く、入居希望者が少ない物件(築が古い木造、駅から極端に遠い)

引っ越しのたびに物件探しに難儀するため、

ペット飼育が住宅購入のきっかけになった人は、まわりには何人かいる。

 

住宅を購入した知人の多くは、

「月々の支払いは家賃と同じぐらいだったから……」と口にする。

しかし、マンションのチラシを見ていると、

新築はもちろん、中古であっても、明らかにうちの家賃よりは月々の支払いが高い。

そのうえ、修繕積立費や管理費が乗っかってくる。

これはどういうことなのか?

ひとつふたつ原因は思い当たるが、やっぱり釈然としないので、

一度、見て見ようとなったのだった。

 

物件は、いつも駅へ抜けている道の近くにあった。

つまり、うちより駅に近い。

60㎡未満の3LDK。築20年以上、

玄関側はやや交通量の多い道路に面し、ベランダの向きは南西。

ただし、前に高い建物があり、見通しも陽当たりも悪い。

内装はそこそこきれいにリフォームされているが、古さは否めない。

価格は4000万円近い。

購入にかかる諸経費は200万円だ。

ローンは支払えないことはない。

ただし、今の賃貸より高い。

諸経費も頭金も、払えないことはない。

ただし、今後、家計のすべてをかける覚悟が必要になってくる。

 

不動産屋の担当者はとてもよい人で、我々が様子見であること、

この物件に乗り気でないことは、なんとなく察しつつ、

近隣の物件ファイルを見せてくれた。

どこもこれぐらいだ。

耐震基準改正前の物件でも、4000万超。

「このマンション、古くて雑多な雰囲気があって、九龍城砦みたい*1」と

思っていた物件も、同じぐらいだった。

九龍城砦のような雰囲気は好きだが、

そこに財産を投入できるほどの胆力と財力は、わたしたちにはない。

 

ここら辺はのどかだが、それでも地価が高い、ということがわかった。

あの辺とかあの辺の一軒家は、いったいいくらするんだと、気が遠くなる。

我々が住んでいる物件は、築年数の分だけ、外見も間取りも古い。

それで、かなりお得に住めているというわけだろう。

 

「賃貸と同じぐらいで家が買える」と言う場合は、

賃貸に求めるレベルが高く、

もともとの賃料がお高めなのではないだろうか。

わたしは賃貸の新しさにはあまり価値を見出さないので、

古さと家賃のバランスは、あまり勘案しない。

今の物件は、古いといっても耐震基準改正後の築だ。

また、間取りも今のような玄関開けたらいきなりDK、

そこにくっついて振り分け2部屋、

収納は押し入れ状というのはまったく気にならないし、

オートロックも不要。

 

ただし、買うなら、この条件では嫌だ。

いや、1000万円切るならいいのだけど、そんな物件はまずないし、

ここだって売りに出されたらそんな価格にはならないだろう。

 

賃貸と購入住宅の支払い額が一緒だと言う場合、

おそらく、以下のパターンの組み合わせではないか。

  • 賃貸でもある程度きれいなところに住みたいので、一定水準の家賃を払っている。(オートロックあり、玄関があって廊下が伸びて、というマンションタイプの部屋)
  • 土地の利便性に関して、それほどシビアではない。
  • 絶対に広さがほしい。
  • 自分のものにならない物件に賃料を払うのが心底ムダだと思うので、数万円の上乗せは気にならない。

したがって、賃貸派か購入派かは、以下の点を明らかにしないと比べられないのではと思った。

  • 賃貸時代の間取り・築年数。
  • 賃貸時と購入時、それぞれの立地(最寄り駅と徒歩分数)
  • もともと賃貸派か購入派か。家賃に対する感覚。
  • 「月々の支払い」がローンのみか、修繕積立費、管理費抜きか。

以後、賃貸派vs購入派の話をするときは、この点を明らかにしてもらいたい!

と熱く夫婦で語り合ったのであった。

 

結局、これぐらい家賃を抑えられているなら、

ここに住み続けるのも間違えではない、というのが我々の出した結論だ。

その点はスッキリしたものの、猫との暮らしは遠のいた。

どこかトボトボと家路についた我々であった。

*1:もちろん、それほど本格的な九龍城砦というわけではない。プチ、ぐらいである