平凡

平凡

夫や彼にオシャレしてほしい人は、マンガ「服を着るならこんなふうに」を買うといいんじゃないでしょうか。

夫は服にあまり興味がない。

「洋服を買いに行こうか」と言うと、激しく嫌がる。

「旅行のときの服装とか考えるの楽しくない?」と聞いたら、

そんな発想はなかったと返された。

しかし、「人は見た目も大切である」とは、心のどこかでは思っているようだ。

 

そんな夫が、最近、「ユニクロに行きたい」と言う。

きっかけは、このマンガ。

「服を着るならこんなふうに」だ。

web-ace.jp

 


単行本も出ている。

 

そして、このマンガの企画協力:MB氏の、「最も早くオシャレになる方法」も少し読むようになったらしい。

www.neqwsnet-japan.info

この記事では、ユニクロのスキニーをオシャレに見せる方法を伝授。

 

マンガ「服を着るならこんなふうに」は、

ファッションに興味がないサラリーマンの男性が、

妹や知人女性の協力を得て、少しずつ服装をオシャレに変えていくという話。

 

このマンガの特徴は、

  1. 「オシャレはセンスじゃない!」と謳っているところ。オシャレに見える服装が、なぜオシャレに見えるのを理論で説明している。
  2. ファッションに疎い人でも手をつけやすい、シンプルな服装からスタート。
  3. ユニクロのテーパードスキニーなど、実在ブランドの具体的アイテムが出てくるので、真似やすい。
  4. 出てくるアイテムは、基本、安価なファストファッションなので、これまた真似やすい。
  5. キレイ目な絵なので、コーディネートに説得力がある。

などだと思う。

 

1話目を読んだとき、主人公と夫の思考がよく似ていて驚いた。

なんとなく、大人の男性としての、オシャレな格好をしたい。

でも、オシャレってなんか恥ずかしい。

俺にはセンスがない。

お金もかかる。そんなお金があったら趣味のことに使いたい。

 

そんな主人公に、妹が言う台詞がいい。

「どんな人間にとっても 一番大事なのは服じゃないよ」

「なのにそんなことに足を引っ張られて楽しめないなんて絶対損だよ」

というわけで、妹は、あまりお金をかけず、

あくまで組み合わせでオシャレに見せる方法を、兄に伝授していくのだ。

 

「服に興味がある人」と、「服に興味がない人」の世界は、断絶している。

 

「服に興味がある人」は、ファッションにコストをかけることを厭わない。

ここでのコストは、お金だけではなく、時間や手間も含める。

だから、試着もするし、ほしいと思った洋服が予算に合わなかったらファストファッションへ探しに行く。

お金だけがすべてではないことを、体感的に知っている。

服の組み合わせも、自分のなかでなんとなく決まったものがあったりする。

しかし、それを言語化することは、なかなか難しい。

 

「服に興味がない人」は、ファッションにコストをかけたくない。

ファッションはコスト、とくに金銭的コストがかかるものだと思っている。

試着はなんだか恥ずかしい。店員に話しかけられるのも嫌だ。

「センス」なんてあやふやで、よくわからない。

オシャレになりたくても、何から始めてよいかわからない。

 

他のことなら、興味がないなら「ない」で済まされるが、

ファッションは外見に関わるものだ。

興味がある人も、ない人も、否応なく、他人からの評価にさらされる。

 

だから、ファッションに興味がなくても、そこそこオシャレになりたい人というのは、たくさんいる。

個性的でなくてもよい、清潔感があり、こざっぱりと見えればよいのだ。

ただ、そう考えても方法がわからない。

 

「服を着るならこんなふうに」は、そんなふたつの世界の橋渡しをしていると思う。

センスではなく、セオリーでファッションを押さえる。

ファッションはお金ではないことを示す。

服が最も大事ではないが、振り回されるのはアホらしい、それなら制せよと説く。

 

これらの要素は、夫に刺さりまくり。

「オシャレってセンスじゃないんだ」とキラキラした目で語っていた。

 

私は常々、夫には、もっと自分をよく見せる服を着てほしいと思い、

説得を試みていた。*1

「もっと似合う服があるよ」

「明るい色も着てみようよ」などなど……。

しかし、どれも夫には刺さらなかった。

それは、私が「服に興味がある」側の人間で、

夫の考えがまったくわかっていなかったからだろう。

 

「服を着るならこんなふうに」は、

オシャレに興味はないけど、オシャレに振り回されたくない人に、ぜひ読んでほしい。

(ただし、内容は男性向けなので、女性が服を買うときの参考にはあまりならないと思う)

また、恋人や夫に、もっとオシャレをしてほしいと思っている女性にもおすすめだ。

購入し、そっと彼の枕元などに置いておくのもよし。

自分で読んでみれば、彼らの思考や気持ちが、理解できるかもしれない。

 

*1:決して、ダサいというわけではないのだが……