平凡

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神社で結婚式をする、ということ7 衣装合わせ

以前の日記に、「プロデュース会社を決めた」と書いた。

が、実際は、そこで申込書を書いたわけでも、契約書を交わしたわけでもない。

衣装合わせを繰り返し、衣装が決まり、

髪型を決め、こまごまとしたことを決めた後で、

「もう、うちで決定でよろしいですよね」と念押しをされ、

「もちろんです」と返事。

挙式1~2カ月前に、見積もりを出してもらい、

挙式数週間前までに支払いを済ませるという流れだった。

少なくとも、うちのプロデュース会社はそういう形を取っていた。

 

神社にしても、支払いは当日でOK(事前支払いも可能)。

日付が決まった時点で、申込書は一応、FAXか郵送で送るのだが、

人との信頼のうえで成り立っているなと思ったものだった。

 

そういうわけで、我々が選んだS社の場合、

「衣装を選びは、同社を選んでもらうための入り口」と

位置付けられているように見受けられた。

 

衣装合わせは、まず、何を着たいかを伝えるところからスタート。

神前挙式で和装をするなら、白無垢、色打掛、振袖、引き振袖あたりが選択肢になる。

専門知識ぶっ飛ばしてざっくり説明すると、

白無垢は、白いあの着物。

色打掛は、赤や深緑など白以外の色で、たいてい豪華な刺繍が入っている。

振袖は、成人式のときに着るあれ。未婚の女性の第一礼装なので、結婚式は、最後の着用チャンスとなる。

引き振袖は、振袖の裾をやや長くしたもの。

レトロな雰囲気になると、近年人気と聞く。

下記のサイトなどがわかりやすい。

wedding.gnavi.co.jp

そして、白無垢と色打掛けは、「一番外側」に羽織る着物が違うだけ。

簡単に「掛け替え」ができるため、たいていセットプランが用意されている。

私は、挙式で白無垢、写真撮影時は色打掛と半々ぐらいで着ることにした。

 

試着は、選択肢が多い色打掛から。

まずは、希望の色みを伝える。

私はめでたい赤系で、古典的な吉祥柄*1を希望。

衣装の写真はiPadにおさめられており、

いくつか指定して、持ってきてもらった。

 

洋服の上に簡単な襦袢ときものの衿だけを着け、

スタッフが、上から打掛を羽織らせてくれる。

衿から出てしまうので、試着のときは、タートルネックなどは避けたほうがいい。

回りながら前、後ろとチェックして、

夫(当時は婚約者)に写真を撮ってもらう。

鏡があるので、自分でも写真に収めた。

裾をひきずるので、回るときにはスタッフに一声かけなければいけない。

 

最初は、「鶴がバババーン!」とあしらわれたものは、

「めでたすぎる!」「目がつぶれる!」と思い、

花柄が可愛らしくていいと感じたのだが、

何度も試着を繰り返していると、

「鶴がバババーン!」という派手さがないと、

めでたさが足りないような気がして、満足できなくなってくる。

これは夫も私も同じで、心理の変化がおもしろかった。

結局、背中に鶴が舞う赤い打掛を選んだ。

 

打掛と並行して選ぶのが、白無垢だ。

白無垢にも、さまざまな「白」がある。

絹糸の色合いをいかした生成りっぽい色や、純白のもの。その中間のもの。

また、白地なので見えづらいが、地に刺繍がほどこされているものも多かった。

これを、生成りのほうが顔映りいいかな、

いや、純白のほうが新婦って感じがする、

と選んでいくわけだ。

「正直、写真では、あまり違いがわからないんです」と

スタッフから言われたが、それはその通りだった。

選ぶ間も、「これはどれを選んでも同じなのでは……」と感じていた。

挙式当日の着用時間は短く、撮影時は色打掛と掛け替えたりもするので、

今では「生成りと白の間ぐらいの白無垢を選んだはず。花の刺繍があった」

ぐらいの記憶しかない。

ただ、白い衣装を選んでいると「結婚式の準備をしている!」という

実感がわいてくるので、とても幸せな時間だった。

(夫も「白いの着てる」と何かうれしそうであった)

 

そういうわけで、白無垢試着に割く時間は少な目。

主に色打掛の試着で、3~4回は通ったように思う。

1回にかかる時間は、1~2時間ぐらいであろうか。

 

衣装のほかに決めなければならないのは、髪型だ。

和装の場合、文金高島田、文金高島田に角隠し、

文金高島田に綿帽子(花嫁がかぶる白い帽子)、洋髪、あたりが選択肢になるかと思う。

文金高島田の場合、さらに地毛、かつら、半自毛などの選択肢があるようだ。

髪型のことは、住吉大社のこのページがとてもくわしい。

「尾長」ははじめて見た……。

sumiyoshitaisha.com

我々の場合、

「『あんみつ姫』みたいなあの髪型(文金高島田)は、コントみたいで笑っちゃいそう」

と夫が言うのと、

私自身に強い希望がなかったため、

洋髪を選んだ。

挙式のときは、洋髪の上に綿帽子を着用という選択をした。

 

洋髪で困ったのが、髪を伸ばさなければいけないこと。

(これは文金高島田でも同じかもしれないが)

当時、私はベリーショートに近かった。

「なるべく伸ばしてほしい。とくに、襟足は切らないで」と言われた。

襟足が伸びたショートほど、みっともないものはないが、ここはぐっと我慢。

襟足をなでつけてタイトに見せたりしてなんとかしのいだが、

そのまま4~5カ月過ごすのはツラかった。

 

冒頭に述べた通り、我々が選んだS社にあっては、

衣装を決めるということは、プロデュース会社を本決めするということ。

ここまで決まると、いよいよ結婚式も現実味を帯びてきた。

*1:鶴、松竹梅など縁起のよい意匠をあしらったもの