平凡

平凡

おまけの一日

毎日が平穏で、幸せだ。

昼間の電車にぼんやり揺られていると、

これは、神様からもらった、おまけの一日なんじゃないかと思う。

おまけだから、

苦しいことも、悲しいことも、どこか遠くにしか感じない。

そんなおまけの一日が、何かの間違いで、続いてしまっているのだ。

車窓から、弱い冬の日ざしが入って、埃がきらきら光っている。

ああ、きれいだなと思う。

電車はがたごと揺れる。

とろとろと、睡魔がやってくる。

一日を、大事しなきゃな。

なにしろ、おまけなのだから。

そんなことを考えながら、

あたたかく肌ざわりのよい、

眠りの世界へと落ちていく。