平凡

平凡

大根カレーを巡る冒険とその顛末

12月初旬から、中旬の忘年会シーズンは、

夫不在の夕食が多かった。

 

今日も明日も、夫は飲み会。

そんなとき、冷蔵庫にある大根と鶏ひき肉が目に入り、

昔々、とあるカフェで大根入りの和風カレーを食べて、美味しかったことを思い出す。

すると、みるみる、❝大根カレー腹❞になっていく。

 

クックパッドでレシピを検索したところ、

和風出汁をベースにしたレシピが見つかった。

「つくれぽ」も200ついている。

以前に食べた和風カレーは、出汁をベースにしていたはずだ。

よし、これにしよう。

 

しかし、一抹の不安がよぎって、「大根 カレー まずい」で検索。

Yahoo!知恵袋」などで、「今まで、カレーに入れてまずかったものは、大根ですね」という記述が複数見つかって、不安になる。

 

読者登録をしているブログの id:aintnmt さんも、こんな記事を書かれている。

aintnmt.hatenablog.com

 

しかし、冒険するなら、今なのだ。

夫不在の、今なのだ。

失敗したって被害者はひとりですむ。

私は、えいやっと大根カレーを作った。

 

1日寝かしたところ、

煮て透明感が出た大根に出汁がしみて、鶏ひき肉に出汁がしみて、

そんでもってカレー味もしみて……美味しいかな……うーん、まずくはない。

それぞれの味わいが、ハーモニーを奏でてはいる。

しかし、私の舌が、頭が、それを受けつけない。追いつけない。

 慣れないだけかもしれないが。

美味しい? 美味しい? 美味しい? と、

クエスチョン付きの「美味しい」が浮かんでいるうちに、一皿を完食してしまった。

 

帰宅した夫にひと口、ふた口食べてもらったところ、

眉根を寄せて考え込みながら、

「これ、何かに似ている……何か似ているんだけど……」

と繰り返した。

 

「そぼろ弁当? 大根と鶏ひき肉のうま煮?」

私は深追いした。

なにしろ、私の頭の中にある「?」の答えが、

夫の言う「似ているもの」にあるかもしれないのだ。

しかし、夫は美味しいような、まずくはないような顔をしたまま、

どうしてもそれを思い出すことができなかった。

 

結局のところ、大根カレーとはなんだったのか。

どのような食べ物なのか。

自分のなかで、ラベルがうまくつけられない。

「考えるな、感じろ」という名言もあるけれど。

残りもののカレーを食べつつ、

感じるのはやはり不可解さ。

 

ひと鍋分を食べきって、

こうしてブログに書き綴りながらも、

いっこうに私もモヤモヤは晴れないのだった。