平凡

平凡

黄金の休日、黄金の長野・野沢温泉 その1

梅雨でくさくさするので、 今さらだがゴールデンウィークの話を。ゴールデンウィーク、我が家は長野・野沢温泉へ。 黄金週間は価格も黄金が常ではあるけれど、 なんと価格がふだんと変わらない宿を夫が見つけてくれた。 1泊2食付き8000円台。*1 これは行くし…

小さな継承

わたしは歌うのが好きだ。 と書くと、「歌が上手い」と連想する向きもあろうが、 事実はむしろ反対である。 下手の横好き。 つまり、わたしはいわゆる音痴なのだ。 謙遜で言うようなかわいいものではない。 本気の本気、今様に言うなら“ガチ”である。 さらに…

“家飲み”から“家お茶へ”

もうだいぶ前になるが、友人が結婚した。 挙式は、オーストラリアで。 当然、出席した。 中高生のころから彼女は、 「わたしは、結婚して、子どもを生んで、将来おかあさんになる」 と断言していた。 「まあ、いつかは子どももほしいし」 「やさしい旦那様と…

「いつかあなたにも、そんな相手が見つかるよ」とその人は言った

まず、「ツチノコ」の話をしよう。 もし、世界に「ツチノコ」という概念がなかったなら。 当然、「ツチノコ」を捕まえようとは思わないだろう。 そして、仮に「ツチノコ」を見ても、特異な存在とはわからないはずだ。 「ちょっと太った蛇がいるわ」などと思…

精算する男

もう梅雨も間近だけれど、少し前の話。 フリーランスの春といえば、確定申告である。 結婚以来、夫は毎年確定申告を手伝ってくれるようになった。 腰が重いわたしに再三、夫は「確定申告、だいじょうぶ?」と声をかける。 遅まきながら領収書を集めて渡すと…

異種族としての猫

最近はもっぱら、夫婦で看板猫のいる店巡りをしている。店では、猫と人間が、さまざまな関係をむすんでいる。 それを見るのも、看板猫巡りの醍醐味である。 ある店にいるのは、色柄そっくりな4兄妹だ。 店を訪れると、開店準備中にもかかわらず、店主は中に…

「貧むす」と「夜廻り猫」

スーパーで買い物中。 思うところあって、三つ葉と天かすをカゴに入れる。 夕食後、天かすに白だしとしょうゆをしみこませ、 三つ葉を刻み、余ったごはんと混ぜ合わせる。 明日の朝食にするのだ。 食べてみると、 天かすの油分とコク、 三つ葉の爽やかさと茎…

三つの顔をもつ男

猫に相対するとき、夫は三つの顔を見せる。 たとえば。 土曜日、映画を見て終電近くなる。 そんなとき、商店街を横切る猫の姿。 見慣れないハチワレちゃんである。 我々夫婦は、わああ、とおよそ中年と思えぬ声をあげて、猫を追う。 夫は前にちらっと見た猫…

やるしかないのだ、何度でも

いきなりだが、わたしはいちおう、妊娠を希望している。 そのため、基礎体温を記録している。 基礎体温とは(知っている人も多いと思うが)、 起き抜けに体温計をくわえて測るあれだ。 専用の体温計を使うことで、日々の細かな体温の変化を記録することがで…

夢の永久機関、その名は豆苗

鍋物ざんまいだった冬。*1 苦しまぎれの中華鍋に、豆苗を入れたときだった。 「豆苗って、家で栽培できるんだって!」と夫が興奮気味に言った。 好奇心旺盛な夫は、豆苗のパッケージをふんふんと読んでいた。 そして、「水につければ収穫できます」と、 ご丁…

近所のお祭り、その名状しがたきよろこびよ

近所の商店会が、何か小さな催しをやるという。 入場料に500円を取り、ちょっとした屋台で焼きそばやたこ焼き、焼き芋などを食べさせるらしい。 入場料? 手作りの会で、一律取るのだろうか。 そして、チラシを見ても、食べ物が有料なのか無料なのかわからな…

部活動、そのロールプレイと癒し

運動はとんとできない子どもであった。 暗い顔で、本ばかり読んでいた。 そんなわたしが大学に入ってすぐ、部活動に入った。 大学公認の、純然たる体育会系である。 比較的新しい競技なので、ややゆるい雰囲気ではあるものの、 それなりのしごきもある。 先…

フリーランス駆け出し時代を支えてくれたのは、ビビッドなピンクのケータイだった

特別お題「おもいでのケータイ」 フリーランスになって1年目のころ。 収入の不安定さ以上にこたえたのは、人とコンスタントに話すことのない生活だった。 会社に行って、好むと好まざるとにかかわらず、他人と話す。 そのことが、いかに貴重なことかを知った…

人生はティラミスのように苦くて甘く、記憶はホロホロと崩れてゆく

ティラミス、という食べ物がある。 生地は、エスプレッソが染みこませてあって、苦い。 その間に挟まれたカスタード状のクリームやマスカルポーネチーズは、甘い。 甘い、苦い、甘い、苦い。 ひとつのお菓子のなかに、その繰り返しがある。 生地はホロホロと…

子どもの足音

木造の、古い古いアパート。 間取りは、かろうじてテーブルを置ける広さのダイニング・キッチンに6畳2間がついた2DK。 当然、家族連れが多く住んでいた。 そんな物件に、まかり間違ってひとりで入居したのは、 2011年の2月のこと。 わたしは独身で、夫とは…

「家賃と同じぐらいの支払いでマンションが買えますよ」と人は言うけれど

近所で、中古マンションの出物があったという。 予定のない土日、じゃあ、ちょっと見に行ってみようかとなった。 我が家は基本、賃貸派だ。 ふたりとも、「ローンがあるうちは自分のものになったとは思えない」タイプなこと、 ローン(と修繕積立費、管理費…

人生をコントロールしたい、すこしでも

年末は、年賀状を書いていた。 年々、出す先は少なくなっていく。 自営業者がこんなことでいいのかと思うが、 もうあまり重きを置かなくなってしまった。 もっと言うと、年々、重きを置く気力がなくなっているのを感じる。 大掃除など、家のことは思うとおり…

雨宮まみさんに、ありがとうとさよならを

雨宮まみさんの連載コラム、「40歳がくる!」が更新された。 大和書房・WEB連載〜40歳がくる!MOB 雨宮 まみ vol14 これで最終回だ。 著者の雨宮さんが、11月15日に急逝されたから。 雨宮さんが亡くなったというニュースが流れたのは、 11月のよく晴れた日の…

フリーランスが仕事をもらうために必要な、たったひとつのこと

今日は結婚生活とはまったく関係のない、仕事について書こうと思う。 この記事の脚注で書いたことについて。 hei-bon.hatenablog.com フリーランスになって、10年たった。 「フリーになりたいけれど、仕事が来るか不安」。 同業者からそう聞くと、わたしは …

服を贈る、ということ。あるいはユニクロでコートを買った話。

突然だが、我が家の夫は秋生まれ。 そしてわたしは冬生まれだ。 夫婦の結婚記念日は、覚えやすいよう、夫の誕生日にしてある。 秋冬といえば、何はなくともクリスマスだ正月だとイベントが多いシーズン。 そこに個人的な記念日まで加わっており、祝いごとが…

10年前の自分からのメッセージ。そして5年後の自分への伝言

10年前、仕事関係のアンケートで、「10年後の自分へ」メッセージを書いた。 同僚がやっていた仕事で、それがどう使われたのか、覚えていない。 変なアンケートだが、ともかく「10年後の自分に叶えていてほしいこと」を何項目か書いて、 ずっと覚えておけるよ…

わたしにとって、❝イカす❞こと

「イカす」ということばがある。 かつての若者ことばで、今は死語に近い。 もちろん、意味は「カッコいい」「魅力的」。 一定以上の年齢の方なら、 「いかすバンド天国」なんて番組名がすぐに浮かぶかもしれない。 ところで、最近、SNSで、 「人生で一番大切…

こういう質問に答えていくと、ホームページ時代やミクシィのバトンを思い出しますね

今はなき「ザ・インタビューズ」に登録したとき、 あらかじめ用意された質問に答えているうち、 どんどん恥ずかしくなって、30分未満で退会してしまった。 人の回答を読むのは楽しいが、自分で書くのはダメだった。 しかし、やはり、こういったお題を見かけ…

ひとつになりたい、のかもしれない

ときどき、夢を見る。 ある夢では、凍りついた野山で、吹きすさぶ雪が顔を打っていた。 まつ毛に雪が積もって視界はせまく、 肌の感覚はすでに失われていた。 目を開けていられなくて、ああ、わたしはこのまま死ぬんだと思う。 そのとき心に去来するのは、恐…

概念としてのかわいさ

夫婦揃って猫好きだ。 なので、外出中はあらゆる場所に目を光らせている。 どこに猫がいるか、わからないからだ。 猫を見つける秘訣は、「いる」と信じることだと思う。 「どう考えても車止めだろう」 「こんな道の真ん中に、猫がいるはずがない」 いくらな…

家事分担の我が家の秘訣、あるいは「あなたの家事は当たり前ではない」と思う話

「家事分担、どうしてますか」。 結婚後、よく聞かれる質問のひとつだ。 世間では、夫婦ともにフルタイムであっても、 妻が主軸で家事を回す、というイメージがまだまだ強い。 わたしのまわりでも、そういったカップルが多い。 性別役割分担に加え、長時間労…

奥多摩から帰る

その電話を受けたとき、わたしは奥多摩にいた。 「おじちゃんが、倒れてしまって」 電話の向こうで、母が泣いていた。 おじちゃんとは、母の再婚相手のことだ。 奥多摩で何をしていたかというと、 レンタサイクルを借りて、デートをしていた。 相手はまだ、…

流行っているのか、フラフープ

夫の同僚が、フラフープをやっているという。 男性だが大変細身で、ふだんからプロポーションには気をつけているものの、 「ここぞ!」というときは集中して回すのだそうだ。 「くびれができますよ!」。 なんと魅力的なことばであろうか。 テレビをつけたら…

誰かと過ごすとき、特別なことなんて何もしなくていいのかもしれない

母が上京する。 今住んでいる街を案内したくはあるのだが、我が家はいろいろと片付いておらず。 観光だけお供することとなった。 (申し訳ないことである) 待ち合わせ場所は銀座で、10時過ぎ。 その日、母はなりゆきで新幹線のチケットを取って帰るので、解…

「こち亀」が終わる

「週刊少年ジャンプ」に連載されていた 「こちら葛飾区亀有公園前派出所」通称❝こち亀❞が、 連載40年をもって幕を下ろすという。 インターネットを見ていると、 「ちゃんと追いかけていたわけではないけれど、ショックが大きい」との声をよく見かけた。 夫も…